2021年02月13日

聖なる犯罪者

 善と悪、嘘と真実といったテーマに重苦しく考えさせられるポーランド映画。一筋縄でいかないストーリーはお国柄なんでしょうけど、キリスト教をしらないとわかりにくい側面も。

 作品情報 2019年ポーランド、フランス映画 監督:ヤン・コマサ 出演:バルトシュ・ビィエレニア、エリーザ・リチェムブル、ルカース・シムラット 上映時間:115分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2020年劇場鑑賞8本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村






 【ストーリー】
 ポーランドの少年院でダニエル(バルトシュ・ビィエレニア)はトマシュ神父(ルカース・シムラット)と仲良くなり、自分も神父になりたいと訴える。だが、トマシュから、犯罪歴のあるものは神学校に入れないといわれ、断念。仮釈放後、トマシュの紹介で田舎町の製材所で働くなることになる。

 ところが、田舎町の教会で休憩していたダニエルは、教会の下働きの女性の娘、マルタ(エリーザ・リチェムブル)に新任の司祭と勘違いされてしまう。ダニエルの型破りの説教は街の人たちの心をとらえてしまうのだが…

 【感想】
 カトリックは改心したら救われるという教えかと思っていたけど、ダニエルは犯罪歴があるがゆえに追放されてしまいます。日本なんか犯罪なり失敗した人が坊主になることもあるのに、お国柄かと思ってしまいました。でも、そんなカトリックの教えも教条的で退屈なもの。街の人たちはダニエルの思いがこもった話に感動してしまいます。

 特に、多くの犠牲者がでた交通事故があったことから、遺族に寄り添うダニエルの教えは、街の人たちの胸をうちます。ここまでだったら良い話なんだろうけど、しょせんは少年院上がりの荒っぽさ。神父の格好をしても酒は飲むは女は抱くは喧嘩はするは、俗世界にべったりしたまま。人間の本性というのはなかなか変わらないし、悪にもなるし善にもなるということでしょう。

 また、街の雰囲気にさからって事故の真相を探ろうとするダニエルは、一度は落ち着いたはずの街をひっくり返すことになります。神父という嘘をついているダニエルが、嘘におおわれた事故の真相を探るというのも、皮肉めいたストーリー。ダニエルが偽神父とうすうす気付いたマルタがかばうというのも、これまた人間の弱さを表しています。

 そして、クライマックスはいかにもヨーロッパ的。ポーランドとフランスは文化的に影響を受けてるし、こういう皮肉で冷徹なみかたはフランス映画っぽいなと思いました。それまでの描写も起伏をわざとつけていないところもあるし、好みはわかれるでしょう。ただ、不穏さや宗教観について真剣に取り組んでおり、オスカーノミネートされたのは納得の上質さはありました。
posted by 映画好きパパ at 07:13 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。