2021年02月13日

雷桜

 時代劇版ロミオとジュリエットを目指したそうだけど、廣木隆一監督の余計な説明はしないのと、細かいところは気にしないという方針があだになって、みている方からは突っ込みだらけの作品になってしまいました。

 【ストーリー】
 将軍家に生まれた斉道(岡田将生)は、幼少のころから精神的に弱く、うつけといわれていた。庄屋の二男ながら侍に取り立てられた家臣の瀬田助次郎(小出恵介)から、瀬田の故郷の瀬田山に天狗がいると聞き興味を示す。そして、病気療養の地として瀬田村が選ばれた。

 瀬田山の人里離れたところで、父理右衛門(時任三郎)と雷(らい、蒼井優)の親子がひっそりと暮らしていた。雷は山を荒らしに来る村人を脅かして帰していたので、村人からは天狗と思われていたのだ。だが、助次郎は雷は、20年前に誘拐された自分の妹、遊(ゆう)であると信じていた。瀬田村を訪れた斉道は、助次郎や御用人の榎戸(柄本明)を振り切り、単身、天狗を探して山の中に入り、雷と運命的な出会いをする。





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 【感想】
 精神的に弱く、徹底的な草食男子と、本能の思うがままに生きる肉食女子が、身分の差を超えて愛し合うというのは、受ける題材と思ったのか、東宝は300スクリーン規模で公開し、見事撃沈。蒼井優は「Flowers」にも出ているから、今年の大コケ女優になってしまいました。時代劇で、主役2人が時代劇初挑戦のうえ、主役としては実績がないのに、なぜ、受けると思ったのかが不思議。

 せめて、できがよければ口コミで挽回したのだろうけど、時代劇の常識が通用しないところがいっぱい。たとえば、いくら恋愛映画とはいえ、江戸時代の殿様が「愛している」なんて言葉を使っちゃだめでしょう。「愛」がLOVEの意味をもつのは、明治時代になってから。さらに家来が殿様に「うつけ」なんて言葉を使ったら、その場でお手討ちにあうのが当然。

 仮に時代劇のお約束をスルーしたとしても、映画としての出来も微妙。終盤、斉道と雷を刺客(池畑慎之助)たちが襲うのだけど、斉道をねらっているのか、雷をねらっているのか、理右衛門をねらっているのかがさっぱり分からない。そして、だらだらと続くラストーシーン。なんかみていていらいらした。2時間13分もかけているのに、必要なシーンとだらだらシーンの見分けがついていない。天気なのに主役の周りだけ雨が降っていたり(廣木監督は「君の友だち」でもやっている)、ネット評によると、雪山のシーンでスキー場が写ってたそうだから、むしろそうしたあら探しを楽しみにしたほうがいいのかもしれません。

 岡田の美貌はちょんまげ姿でもほれぼれするし、蒼井のコスプレ山ガールはよく似合うし手ブラのサービスショット、そして、柄本の忠義を尽くすさまは、数多くの作品に出演している柄本にとっても、熱演中の熱演といえるけど、俳優がいくらがんばっても、脚本、演出がひどいとカバーできないね。高良健吾、斎藤工、忍成修吾ら、いい若手が出演しているのにチョイ役というのももったいなかった。採点は5。(TOHOシネマズ日劇)
posted by 映画好きパパ at 21:46 | Comment(0) | 2010年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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