2021年02月13日

トロッコ

 芥川龍之介の短編小説を舞台を現代の台湾に移して映画化。台湾を代表するリー・ビンビンのカメラワークは美しいけれども、とってつけたような話もあったのが残念でした。

 【ストーリー】
 台湾人の夫と死別した日本人女性夕美子(尾野真千子)は幼い息子の敦(原田賢人)と凱(大前喬一)を連れて、台湾南部の山村に住む年老いた義父の呉仁榮(ホン・リウ)のもとに遺骨を持って帰った。

 村には古びたトロッコがあり、山の方へ続いていた。戦前、日本の業者が木を切るために敷設したという。呉仁榮は幼いころ、トロッコに乗れば日本に行けると思っていたと話す。その話を聞いた子供たちは・・・





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 【感想】
 親子の情愛のバックボーンとして、台湾と日本の関係を描こうとしているのだけど、それがちぐはぐに感じた。子供たちが、祖父の思いを感じ取り、トロッコに乗って予期せぬ旅をするあたりは、台湾の美しい風景とあいまり、何ともノスタルジックで心いやされる風景だったことか。

 一方、台湾は親日家が多いといわれる。呉仁榮も日本にあこがれ、トロッコに思いがあるところまではいいのだけど、戦時中は日本軍に従軍し、戦後、軍人恩給がないことに憤っているあたりが、いかにもとってつけた感じ。

 せっかく、夕美子と子供たちと呉仁榮の三世代の心のつながりを、じっくりと描いているのに、もったいないと思う。また、トロッコの旅も行きはよいよい帰りは怖い、のだけど、このあたりもこれまでのトーンと違う感じになってしまい、もう少し丁寧に説明してほしかった。

 尾野真千子は最近ドラマでもよく見るけど、こういう小規模の映画がよく似合う女優だと思います。子役との関係も、親子のきずなと壁というものをうまく演じていた。それだけに、ストーリーをもう少し練っていたら、ともったいなく感じました。採点は6.(渋谷シネアンジェリカ)
posted by 映画好きパパ at 21:52 | Comment(0) | 2010年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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