【ストーリー】
刑務所で仮釈放を審査する管理官のジャック(ロバート・デ・ニーロ)は、祖父を殺して放火した容疑で服役中の囚人、ストーン(エドワード・ノートン)の審査を担当する。しかし、真面目なジャックをストーンは挑発してばかりで、仮釈放は難しそうだった。
ストーンは妻のルセッタ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)に頼み、ジャックを誘惑して一線を越えさせる。そして、ジャックを味方につけようとする。だが、ジャックがルセッタにはまるのとは逆に、ストーンは宗教にはまっていく。
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【感想】
豪華スター共演のわりに、都心では銀座シネパトス(そばの地下鉄が通るたびに轟音が響くことで有名な地下劇場)のみの公開という扱いを受けていて、首をひねっていたけど、確かにこの中身では興行側も二の足を踏むだろう。宗教的な話のうえに、登場人物が嫌なやつばかり。さらに、舞台劇のような、互いのせりふが多いという作品だから。
ジャックは、一見すると堅物で、毎週教会のミサに行く敬虔な人物なんだけど、一皮むけば、妻(フランシス・コンロン)に精神的虐待をするようなとんでもない男。それでいて、その日その日をだらだらと生きていく。これに対して、チンピラだったストーンがインチキぽい宗教にはまるのも、見ていてイライラする。しょせん、人間なんてそんなしょうもない生き物なんだ、ということをつきつけられているのかな。
こうしたなか、悪女だけど、本能に忠実に生きているルセッタは3人の中で一番わかりやすく、ミラジョボの思い切りの良い演技もあり、見ていて飽きないのだけど、実際に自分の周りにこんな女がいたら嫌だな。
思わせぶりな心理劇で、善と悪はすぐにその立場を逆転してしまうということを伝えたいのは分かるけれど、うーん。アメリカの宗教事情に詳しくないと、難しい。ノートンやデ・ニーロの新作を見られるのはうれしいのだけど。採点は5(銀座シネパトス)