予告編を見たときには、現在の寓話をコメディタッチで描いていると思ってましたが、意外とほろ苦い部分も。フランソワ・オゾン監督らしい一筋縄ではいかない作品でした。
【ストーリー】
工場で働くシングルマザーのカティ(アレクサンドラ・ラミー)はスペインから出稼ぎにきたパコ(セルジオ・ロペス)と熱烈な恋に落ち、同棲する。カティの幼い娘リザ(メリュジーヌ・マヤンス)は、突然の乱入者におもしろくない。
やがて、二人の間にリッキー(アルチュール・ペイレ)という息子が生まれるが、リサはリッキーの特殊な能力に驚く。なんと、背中から翼が生えてきて、空を飛べるのだ・・・
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【感想】
赤ちゃんはただでさえ天使なのに、本物の天使のような羽の赤ちゃんができたら、喜びも2倍、とならないのが世の中の難しいところ。ブルーカラーのカティたちにとっては、日々の生活がやっとなのに、ただでさえ大変な育児がものすごいことになってしまう。
カティとパコが出会って速攻でパコパコしてしまうのは、フランス映画らしい。。けれども、些細なことで喧嘩してしまうのも、フランス映画っぽく、パコもカティも相手のことを思いやろうとしないというのは、けん怠期のカップルらしいリアルさかも。終盤まで2人の行動、考えにイライラしてしまうのだけど、これはラストへ向けての落としどころ。家族とは何かというのを改めて考えさせられる。
大人2人のだらしなさにくらべて、リザのしっかりとしたお姉さんぶりがいい。まだ、小学生のリサにとって朝起きたら、お母さんと一緒に見知らぬおっさんがいたら教育上、よろしくないだろうと思うけど、リザもフランスのマドモワゼル。そのくらいのことでは驚かないのが笑える。
なによりすごいのがリッキー。何人もの赤ちゃんを使っていると思ったけど、クレジットでみると一人なんだよね。どうやって撮影したんだろう。また、パコが一人でリッキーの面倒をみるときの奮闘ぶり、おむつを替えるのに苦労したり、ほ乳瓶をうまく暖められなかったりというのは、自分の日ごろの行動にそっくりで、思わず応援してしまいました。ちなみにセルジオ・ロペスは「パンズ・ラビリンス」の大尉役であちらでも赤ちゃんと幼い女の子に苦労する役だったな。
個人的にはもうちょっとウェルメイドな方が好み。採点は6.5(渋谷BUNKAMURAル・シネマ)
2021年02月13日
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