【ストーリー】
2006年のイラク、運転手のポール(ライアン・レイノルズ)が気がつくと、地中に埋められた箱のなかにいた。米軍基地に物資を運ぶ途中、反米ゲリラに捕まり、人質となったのだ。身動きもままにならないほど狭い箱にはバッテリーがきれかかった携帯電話がおかれていた。犯人は2時間以内に身代金100万ドルを払うよう要求するが、貧しい運転手に払えるわけがない。携帯電話で、家族や米国政府に助けを呼ぶが・・・
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【感想】
全編、箱の中。しかも、ライターを消したりすると画面が真っ暗になって音だけしかしないという徹底ぶり。地中の箱だから酸素がいつ切れるかわからず、外部との連絡手段も携帯電話だけという絶望的な状況。これがトム・クルーズやスティーブン・セガールの映画だったらあっという間に脱出してゲリラを全滅させるのだろうけど、ライアン・レイノルズという微妙な位置の役者を使ったので、最後まで助かるのかどうか分からないハラハラ感がもてた。
実際、ポールが金持ちやVIPだったら米国政府も救出に全力を尽くすだろうけど、しがない運転手じゃ、「テロには屈しない」と見捨てられても当然で、ポールの絶望、あせりというのがよく伝わってくる。
しかも、電話で助けを求めたさきの政府の担当者や会社の偉い人が、口では同情するけど、アドバイスは役に立たず、しかもお役所的な対応で電話をたらい回しされたり、というのがすごい皮肉。砂漠の現場で苦労している下っ端を動かすのは、安全なワシントンのエアコンのきいた部屋で、というのがよく分かる、一種の反戦映画にもなっている。
ただ、やはり、中だるみしてしまうのと、ものすごい狭い箱に暑苦しい男が一人閉じこめられるというのは、美的センスもなにもあったものでなく、90分とはいえちょっと長かったかも。採点は6(シネセゾン渋谷)