「アドレナリン」のマーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラー共同監督とあり、もっとぶっとんだ作品を期待していたのだけど、70年テイストと最新のネット技術をあわせたような、ある意味こじんまりした作品でした。何年かあとにテレビ東京の昼の映画番組に出てきそうな感じかも。
【ストーリー】
近未来。ネットゲームは進化し、ナノチップを人の頭脳に埋め込むことで、ゲーマーは、実際の人間をゲームの駒として操ることができた。そのなかでも大人気のゲームは「スレイヤーズ」。ゲーマーは死刑囚を操り、本物の銃弾が飛び交う中戦う戦争ゲームだ。死刑囚は30回ゲームで死ななければ恩赦される条件で参加している。
死刑囚のケーブル(ジョン・バトラー)はゲームを27回クリアしてあと3回で恩赦となる。だが、ゲームの開発者キャッスル(マイケル・C・ホール)は、無実のケーブルを罠にかけて死刑にしたため、なんとしても殺そうとする。一方、ケーブルを操る17歳のゲームおたくサイモン(ローガン・ラーマン)に謎の団体「ヒューマン」が接触し、ケーブルと直接話ができるようにすることをもちかける。
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【感想】
「サマーウォーズ」の世界の腹黒いバージョンというのか、アバターとか、GREEやモバゲーのゲームが大ブームとなっている現在、技術がもっと発達すれば、こういうゲームは登場するかもしれない。「サマーウォーズ」と違って、技術の発展が、デストピアを生み出すよ、と明確にいっているのはおもしろかったけど、1970年代のSF映画のような気もする。
また、MTV風のカラフルな原色を次から次へとインサートする手法も、「ブレードランナー」とかのSF映画を想起してしまう。ただ、貧乏人はゲームの駒になるしかなく、でぶのおたくのネカマに操られる、なんて発想は今の時代ならではのものだけど。一周回って古いものが新しくみえる世の中が到達したのかもしれません。
ただ、ケーブルはものすごく強いのに、悪役が、今ひとつはじけない。とんでもなくマッドで強い相手だったらいいのに、妙なダンスをしたり、小物臭がぷんぷん。まあ、IT長者なんてそんなもの、という皮肉をいいたいのかもしれないけれど。
また、アリソン・ローマン、ジョン・レグイザモ、ゾーイ・ベルといった割と豪華な面々が超脇役で出ているのもB級SF映画らしい。正直、前半で広げた風呂敷を後半で丹念にひろっていけば、カルトSF映画として残ったかもしれないが、やっつけ仕事に見えてしまったのが残念。もう少し長くしてもいいから、後半をきっちりやれば評価はあがったけど、採点は6(日比谷みゆき座)
2021年02月14日
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