【ストーリー】
音信不通だった父ユ・モッキュン(ホ・ジュノ)の訃報を聞き、ヘグク(パク・ヘイル)は、父が住んでいた山奥の村を訪れる。そこは村長のヨンドク(チョン・ジェヨン)が警察をも従わせる絶対的な権力をもっていた。
村人たちはヘグクにソウルに早く帰るよう言うが、死体検案書がないうえ、父の財産が村長に登記変更されていたことを知り、父の死因に不審を感じたヘグクは村にとどまり、村長を探ることにする。やがて、何かをしっている村人が一人、また一人と・・・
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【感想】
冒頭が30年前のシーンから始まり、その後もちょくちょく過去のシーンが入るので、村長たちの怪しさというのが小出しに分かっていく。このへんは、最後にまとめて過去のシーンを出したほうが衝撃的でよかったと思いました。結局、村長を中心とした村人の怪しさが、あからさますぎて、どきどきしないのだ。また、村人の怪しい理由も、国情の違いがあるとはいえ、日本では理解しにくいものであり、もっとドロドロしたものが出てくるかと思ったのに残念。
原作は韓国で人気のウェブコミックだそうで、そのせいか、説明不足やつじつまがあわないところもちょくちょく出てくる。登場人物の関係もうまく整理できていないころもあり、そもそも、なんでヘグクが父の死因にそんなに疑問に思ったかという導入部分があまりうまくできていない。やはり、2時間40分は長すぎるかな。
ただ、韓国を代表するカン・ウソク監督の演技指導のおかげか、俳優たちの演技は見応えがある。甘い二枚目役の印象が強いチョン・ジェヨンが、恐怖で村人を押さえつける傲慢な村長になりきり、コントとみまごうばかりのメイクも気にならない。また、村人役のユ・ヘジン、キム・サンホら、韓国映画には欠かせない脇役たちの、小市民な悪役はいい。ヒロイン?のユソンも、年齢不詳な感じが、謎の女といったところ。そしてホ・ジュノ独特のオーラ。俳優陣を見るだけでお腹がいっぱい。
また、韓国映画らしい痛そうなアクションシーンもたっぷり。そして、ラストにとんでもない大技が出てくる。こういうのがあると映画を見たなあ、という気にはさせてくれますね。本当に、俳優や村の雰囲気(なんとオープンセットだという)はいいので、あとちょっと工夫すれば、とびきりの作品になったと思うのに、この作品も惜しかった。採点は6(シネマート新宿)
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