【ストーリー】
天才物理学者のボリス(ラリー・デヴィッド)は年をとって偏屈になり、人間も神も信じず、悪口をいいまくる男に。離婚して家族からも見放され、狭い家に一人暮らしだった。
ある晩、家の前に南部の田舎町から家出をしてきた若い娘メロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)が倒れているのを助ける。行き場もお金もないというメロディに同情したボリスは何日か家に泊めることにするが、無知で能天気な彼女となぜか気が合い、やがて・・・
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【感想】
ウディ・アレンの最近の作品では「マッチポイント」のようなシリアスな作品にびっくりして好みだったのだけど、本作は久々に舞台をニューヨークに戻して、肩の凝らないラブコメに仕上げている。だからおもしろかったけど、ちょっと物足りなさも。
といって、アレンのことだから、変化球を投げまくり。それでいて、人種差別問題や格差問題などをストレートに突きつける老獪さ。笑えるシーンは多数あるし(ユニクロでデートなどは、米国人におかしさがわかるのだろうか)、ストーリーはやたら飛ばして、登場人物の内面をはしょっているのだけど、ふと気づくと、現実を皮肉るには、こうした手法が一番だと納得してしまう。
ラリー・デヴィッドはウディ・アレンが作品に登場しないかわりに、彼の代弁者として登場しているためか、やたら神経症的にぶつぶついう。その偏屈ぶりを大げさに演じていて結構わらえる。また、エヴァン・レイチェル・ウッドは貧乳のクールビューティーという印象があったけど、田舎から出た足りないけど明るい家出娘になりきっており、意外な役回り。自分の父親以上ともいえる年取ったボリスとの掛け合いも見ていてたのしい。スカーレット・ヨハンソン、ペネロペ・クルスといった最近のアレンのミューズよりも、はまっているのではないか。
ただ、あまりにも演劇っぽく、プロットもちょっと古めかしいかも。もっと作品にのめりこませるようなワクワク感を期待していただけに、小粋だけど軽いスナック菓子だったのはちょっと残念だったかも。採点は7。(恵比寿ガーデンシネマ)ハッピバースデーの歌を連発していたけど、著作権料がちょっと気になってしまった。
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