「復讐者に憐れみを」の翌年に撮られた、ラブコメDVD。韓流ドラマらしい奇抜な設定にペ・ドゥナのオーバーアクトがマッチして、ばかばかしいと思いながら、ついついみちゃいました。
【ストーリー】
大雪の日、田舎の農夫カプシク(カン・インドク)は、妻ギルリョ(キム・ヘスク)の出産のため、急いで帰宅していた。途中、行き倒れの妊婦を見つけ、彼女も家に運び入れる。その妊婦は娘を産んだが死んでしまった。カプシク夫婦は、赤ちゃんをウニと名付けて、自分たちの本当の娘クミと双子で産まれたとして、育てることにした。
月日が流れ、クミ(キム・ユミ)は地元で一番の秀才で、ソウル大学に進学することがきまった。一方、ウニ(ペ・ドゥナ)は、正義感は強いものの、ドジで慌てん坊の女の子に育った。ウニはたまたま出会った医学生ジフン(カン・ドンウォン)と恋に落ちる。だが、家で火事が起き、ウニを救おうとしたカプシクが死んでしまい、一家は貧乏のどん底に。そこに、ウニの本当の祖父で大企業の会長、キム(キム・ソンギョム)が現れ、孫娘を帰してくれと言う。ギルリョは迷ったすえ、クミを会長の孫娘だと引き渡す。
残されたウニは、婚約者に逃げられシングルマザーになってしまった。働き口をもとめ、ソウルへ上京するがジフンとクミが付き合っていることをしりショックを受ける。就職口を探したウニは、なぜか、何度もトラブルを起こす嫌味な男性インウ(シン・ソンウ)が社長になっているカイン食品に勤めることになってしまった。だが、そこは倒産寸前のオンボロ会社。一方、ギルリョにガンが見つかった。親族からの移植が必要になったが、ウニと血液型が一致しないことが判明する。莫大な手術費と、臓器の提供者を見つけなければならなくなったウニ。果たして彼女に幸せはくるのだろうか。
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【感想】
韓流ドラマは、「冬ソナ」すら最初で挫折するほど、見てなかったのだけど、これは面白く、1週間で17話一気にみました。ストーリーだけみると、ドラマティックにして、大まじめに悲惨な印象を受けるが、ペ・ドゥナが能天気なウニをコミカルに演じているのが面白い。赤ちゃんをおんぶしながら、ゴキブリは素手でたたきつぶすは、オナラやゲロをしてしまうは、有る意味ヌード以上に美人女優を捨てている。それでいて、泣かせるところはきちんと泣かせるのだから、ドラマ作りとして非常にうまい。
そして、ストーリーもどう転ぶのか、最終回まで予想が付かないのもおもしろかった。恋愛面でいえば、基本的には、ウニ、クミ、ジフン、インウの四画関係なんだけど、ウニがどちらとくっつくのか、はたまた、だれともくっつかないのか引っ張る引っ張る。甘くやさしいのカン・ドンウォンと、ぶっきらぼうだけどクールなシン・ソンウと、どちらを選んでも幸せになれるだろうが。
さらに、すり替えられて運命が狂ってしまった姉妹の関係も、丁寧に掘り下げている。大企業の一族に迎え入れられてものの、親戚からイジメに合い、次第に金と権力しか信じられなくなっていくクミ。貧乏だけど明るいウニと見事に対照的だし、また、姉妹だからといって無条件に信じるウニの善意を踏みにじるのは許せないけど、でも、クミにも、自分が偽物でいつかは追い出されてしまうという恐怖に怯える弱い人間だと分かるから、同情の余地もある。ここらへんの人物像はうまい。
最終回は、ちょっと詰め込みすぎて、スルーしちゃった部分もあり、続編がみたかった気がする。そのなかで一番最後のペ・ドゥナのアドリブとしか思えないセリフが、お気に入り。日本のドラマでもたまに、こうしたことをやるのはあるけれど、まさか、これだけの長編ドラマの最後のセリフがこんなオチとは。それにしても、ペ・ドゥナの芸達者ぶりに感じ入りました。採点は7.5
2021年02月23日
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