2021年02月23日

ワンダフルライフ

 是枝裕和監督が「空気人形」以前にとった長編ファンタジー。10年前の作品だけど、陰影のある映像を使って、ドキュメンタリータッチで撮るという手法は現在と変わりません。是枝作品で印象的なARATAのデビュー作でもあります。
 
 【ストーリー】
 人間は死ぬと、天国の入り口で、人生で最も大切な思い出を一つだけ選び、それを抱きながらあの夜にいくことになる。選ばれた夢は職員によって撮影され、最終日に上映会を開くことになる。
 
 その日、天国の入り口についたのは22人の男女。たった一つの思い出をすぐ選べる人もいれば、選ぶことを拒否する人もいる。職員たち(ARATA、内藤剛志、小田エリカ)は、死者の話に耳を傾け、彼らの望みをかなえるべく努力する。



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【感想】
 もし僕がたった一つの思い出を選べと言われたら、以前は学生時代に好きな子とディズニーランドに行ったことを躊躇なくあげたけど、子供が産まれたら、子供と会っているその日その日が一番の思い出になりました。だから、思い出がいっぱいありすぎて選べないというのは分かるけれど、逆にたった一つの思い出すらないという人がいるのは、何ともやりきれない思い。
 
 22人のうち、本職の俳優(内藤武敏、由利徹、伊勢谷友介ら)もいるけれど、素人もまじっていて、この人たちが選ぶ自分のたった一つの思い出というのがバラエティーに飛んでいて、本当に人生ってさまざまだと思う。戦争で助かったことを上げる老人もいれば、子供のころにみたキラキラとした光を上げたり、お母さんの匂いがあったり。彼らがしゃべる短時間のインタビューから、それぞれの人生が透けて見える。
 
 いくつものエピソードが興味深いのだけど、僕は老夫婦のうち妻が若いころの別の男性との思い出を選んでいるという話が一番心に残った。長年連れ添っていても、実は、妻は違う男を胸に焼き付けている。そして、そのことを分かった上で、妻との思い出を大切に選ぶ夫。相思相愛というのが理想かもしれない、あるいは、映画のセリフにあるけど、他者の思い出に登場できるというのはすごいことなのかもしれないけれど、この老人がいかにも人間らしく、かつ、大人の愛情が深く感じられた。
 
 ARATAと伊勢谷友介は若々しいが、それぞれまさに適役といった演技をみせている。ベテラン俳優の演技は見どころにあふれているなか、一種のヒロイン役の小田エリカがこのあと鳴かず飛ばずなのはちょっと残念かも。採点は7
posted by 映画好きパパ at 21:35 | Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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