2021年02月23日

ヒートアイランド

 これも、札幌で1週間しか上映しなかったので、見逃してしまった映画。北川景子が出ているから見たかったのだけど、主役が城田優とは見るまで、気付きませんでした。城田は最近、急上昇の俳優なので、まだ、売れていないころの初々しさとたどたどしさがマッチしてます。

 【ストーリー】
 渋谷のストーリーギャングのリーダー、アキ(城田優)は、強力なカリスマ性で仲間を仕切っている。ある日、メンバーのタケシ(浦田直也)が、バーで注意されたことを逆恨みして、中年客の折田(松尾スズキ)をボコボコにして、持っていたカバンを奪う。ところが、折田は強盗団の一味で、カバンのなかにはヤクザのカジノから強奪した数千万円の大金が入っていた。

 その金を巡り、強盗団の柿沢(伊原剛志)と桃井(細川茂樹)、金を奪われた関西ヤクザの久間(近藤芳正)、横取りしようとする渋谷のヤクザ黒木(豊原功補)、ブラジルマフィアたち(谷中敦、パパイヤ鈴木)が入り乱れ、アキたちと仁義なき戦いが始まる。



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 【感想】
 序盤は、城田をはじめ、若者たちの演技に今ひとつ乗れず、手持ちカメラで渋谷を撮りまくった映像も、今更感がしてしまった。ところが、盗まれたカバンを巡って血で血を争う抗争が起きてから一転、最後までワクワクしながら見られた。

 原作(未読)がしっかりしているのだろうか、サタケミキオの脚本がうまいのか、4つのグループそれぞれのキャラがたち、それぞれがちょっとづつ重なりあっているところが、実にうまい。何気ない会話があとの伏線だったり、盗まれたカバンの状態がどうなっているのか、観客には分かっているけど、登場人物には分かっていない誤解をうまく使っている。

 若手は、AAAの浦田をはじめ演技経験が浅い人が多く、ストリートギャング役の北川景子や、アキのあこがれるクラブのママ、ミナミ(伴都美子)といった女性陣も、演技するのはやっとこさという感じで、今ひとつ思い入れができなかった。

 その分、クセモノぞろいのベテラン勢が、大げさな演技を生き生きと演じている。シャブ中でいっちゃったようなヤクザ役の豊原と、コテコテの関西弁で間抜けにみえるが実は腹黒い役の近藤。そして、現代の怪盗というべき渋さ爆発のプロフェッショナル伊原など、かれら中年男の演技を見るだけでレンタル代の価値がある。また、若手では、黒木の手下のチンピラ役の高岡蒼甫がぬきんでていて、冴えない男の一発逆転を狙う情念というのがよくあらわれていた。城田は、正直、当時は主役の荷が重かったけど、「天地人」の真田幸村、サムライ・ハイスクールのイジメられっこ役は同じ俳優と思えないくらい、演技分けができていて、成長の跡がみられて今後が楽しみ。採点は6.5
posted by 映画好きパパ at 22:36 | Comment(0) | DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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