2021年02月24日

ヴィヨンの妻

 太宰治原作を豪華キャストで映画化。丁寧な作りでしたが、体調が悪かったため、途中で寝てしまいました。どなたか、浅野と妻夫木が一緒になったあと、妻夫木はどうなったか教えてください。

 【ストーリー】
 戦争直後、小説家の大谷(浅野忠信)は酒におぼれ、借金は踏み倒し、女は作るという自堕落な生活を送っていた。大谷のいきつけの飲み屋「椿屋」の主人夫婦(伊武雅刀、室井滋)は、酒代を盗まれ、怒り心頭で大谷の家に押しかける。

 妻・佐知(松たか子)は、借金のカタとして、椿屋で働くことになる。明るく美人の佐知に人気が集まり、店は繁盛。大谷が借金を返したあとも、店で働く佐知に、若い工員の岡田(妻夫木聡)、かつての恋人で弁護士の辻(堤真一)らが言い寄る。大谷はイライラを隠せない。やがて、愛人のホステス秋子(広末涼子)と姿を消してしまい・・・





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 【感想】
 典型的なダメな夫に、献身的に尽くす妻。こんな男とさっさと別れちゃえばいいのにと外野は思うが、なぜか離れない妻。現実にもありそうな複雑な夫婦心理が丹念に拾われてます。ベテラン根岸吉太郎監督ということもあり、松たか子の口紅の使い方や、広末のゾクっとするような笑顔など、説明過多にならないけど、仕草や雰囲気で十分に伝わる演出が続きます。

 松は、この映画でいくつかの映画賞をとってますが、最初は正直ミスキャストかな、と思いました。彼女は明るく、元気なキャラにははまるのだけど、ダメ夫に虐待されながらも、尽くすという雰囲気はなく、特に序盤のセリフ回しとかは、いかにもセリフを読んでます、という感じで、共演がいかにも素っぽい、浅野忠信だけ、余計に感じ、木村多江とかの方が似合ってるよなあ、と思ったりもしました。

 でも、椿屋で働くあたりから、ああ、この映画は松がやってこその作品なんだ、と実感します。過去に窮地を救ってもらったこともあり、不幸を不幸と思わない有る意味天然、別の意味では愛に盲目になっている様子という演技は、松というソフトな感じをした女優にはぴったり。ちょっと天然ぽく男を振り回したり、でも、なんだかんだいって大谷のために尽くす彼女の姿は、男からみるとある種の理想かも。どんなわがままをやっても、温かく母親のように、姉のように、やさしく引っ張ってくれるのだから。大谷がダメ男のままなのも、実は佐知のせいかもしれません。

 不安だった広末も、出番が少ないうえ、わかりやすい演技だったし、あとの人たちは安心して見られる役者ばかりだったのも良かった。まさに邦画の王道をいくような作品です。それでも、不覚ながら寝てしまったということは、やはり、きれいにまとまりすぎている感がしなくもないというところが、正直あるのだけど。採点は7(TOHOシネマズシャンテ)
posted by 映画好きパパ at 21:25 | Comment(0) | 2009年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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