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僕自身は矢沢のことはほとんどしらず、80年代のパロディソング「完全無欠のロックンローラー」とか、最近では缶コーヒーBOSSのCMとか、そんなイメージしかないのだけど、映画をみると若いころからロックに向かって本当に前向きで、真剣に取り組んでいることがよくわかる。しかも、この道何十年の達人ならではの含蓄のある言葉もちらほら。
また、リハーサルシーンでは、外国人も含めたスタッフが矢沢をリスペクトするとともに、彼自身もスタッフを信頼していて、本当にあったかく、なおかつ少しでも良いライブにしようという熱意、一体感というものがひしひしと感じた。音楽の才能はもちろん、矢沢の人格、音楽への態度というものが、今なお彼をトップランナーにたらしめているのだろう。矢沢の「日本は(吉田)拓郎、(井上)陽水のようなニューミュージック、歌謡曲が9割でロックが1割だった。だから、ロックを少しでも広げようと頑張ってきた」という言葉は重みがある。
この矢沢語録はなかなかすごい(記憶頼りなので、うろ覚えですが・・・)。「歌に社会的なメッセージ性を、という人もいるけれども、自分のライブに来てくれた人が、『ああ良かった、明日から頑張ろう』と思ってくれるだけで満足だし、自分はそういう人のために歌う」。「若いころは夏を走り続けるだけで、名声もえたけど、この年になると春や秋の風もわかってきたし、分からなければダメ」。いずれもなるほどなあ、と思った。
ただ、公開時期が悪かった。「THIS IS IT」をみれば、マイケル・ジャクソンのパフォーマンスの方がすごいなあ(永チャンごめんなさい)と思ってしまうし、「アンヴィル」をみれば、成功した人が語る美しい言葉よりも、失敗した人がそれでも悪戦苦闘する姿そのものに共感を覚えてしまう。ミュージシャンのドキュメンタリー映画は数々あり、そのなかでも、できはかなりいい方なだけに、史上最高級の音楽ドキュメンタリーといっていい「THIS IS IT」と「アンヴィル」を見たあとというのは、個人的には惜しかった。採点は6.5(TOHOシネマズららぽーと横浜)
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