【ストーリー】
1941年、ユダヤ人の少女ショショナ(メラニー・ロラン)は、ユダヤ人ハンターの異名をとるナチスのランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)に家族を皆殺しにされ、復讐を誓う。
1944年、名前を借りてパリで映画館を経営していたショショナにナチスの英雄ツォラー(ダニエル・ブリュール)が一目ぼれ。彼を主人公にした映画のプレミア上映会が開かれることになり、ショショナはそこでナチスに復讐を遂げようとする。
一方、米国軍中尉アルド(ブラッド・ピット)率いる極秘部隊「イングロリアス・バスターズ(名誉なき野郎ども)」もプレミア上映会の情報をキャッチした。
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【感想】
通常の戦争映画というのは、悪い敵(ナチス)をやっつけろ、というのが定番なんだけど、この映画は、その定番にのっかりながら、ナチスにも普通の人を入れたり、イングロリアス・バスターズは残虐行為(何しろ、ドイツ兵を殺して頭の皮をはぐのだ。このシーンは結構痛そうで苦手な人も多いかも)しまくりで、単純な勧善懲悪ではないのである。
中でも、ブラピをくっているのではと思えるのが、ランダ大佐。ネチネチと理詰めで尋問し、英仏独など語学にも堪能。頭も大変切れ、慇懃無礼なニヤニヤ笑いを続ける。こういうひとくせもふたくせもある登場人物が次々とあっさり死んでいき、だれが最後まで生き残るかが分からない。
まあ、戦争というのはそういうもんなんだろうけど、見ているこちらのハラハラ感はたまらない。タランティーノ作品でおなじみの、だらだらしゃべりも、いつ物語が急展開するかもしれないから、油断できない。さらに、戦争映画で超えてはいけない一線を簡単に越えているのだから、いやはやなんとも。
映画館がクライマックスになるというのも映画おたくのタランティーノらしいし、戦争映画だけでなく、マカロニウェスタンぽい部分もある。また、女優を魅力的かつフェティッシュにとる手腕はあいかわらずで、メラニー・ロランの復讐に燃える真っ赤なドレス姿や、ダイアン・クリューガーの長い足など、まあ、よくこんなふうにとれるものだと。
なお、ほとんど出番のないナレーターがサミュエル・L・ジャクソンだったり、イングロリアス・バスターズの凶暴なメンバーが「ホステル」のイーライ・ロス監督だったりと、ユニークなキャスティングも見どころかも。チャーチル役は、ヒチコックの「鳥」の主役のロッド・テイラー(まだ生きてたんだ)なんて、マニアックなキャストだし。タランティーノ映画を見られて満足でした。採点は7(TOHOシネマズ日劇)
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