【ストーリー】
カール老人(声エドワード・アズナー)は最愛の妻エリーに旅立たれてがっくりきて、家にひきこもっていた。カールの住んでいる家は、子供のころ初めてエリーと出会った場所で、2人はそこで愛をはぐくみ、結婚し、家庭を築きあげた思い出の場所だった。ところが、町の再開発が進み、カールの家も地上げの対象になる。
かつて、カールとエリーは国際的な冒険家マンツ(クリストファー・プラマー)のファンであり、彼が行方不明になった南米の幻の滝「パラダイスの滝」に一緒に行くのが夢だった。そのことを思い出したカールは、家にたくさんの風船をつけて、「パラダイスの滝」に向けて飛びだつ。ところが、空中で、ラッセル(ジョーダン・ナガイ)という少年が家にまぎれこんでいたのを発見する。
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【感想】
冒頭のカール、エリーが出会ってから、エリーが旅立つまでのシークエンスは素晴らしい。特に、モンタージュ形式でセリフがないまま、カールとエリーの愛がはぐくまれ、別れの日が来るまでの一連のシーンは文字通り鳥肌がたった。マイケル・ジアッチーノの音楽も、非常に美しいインストルメンタルで、まさにぴったり。
ところが、カールが空飛ぶ家に乗って南米へ向かうあたりから、映画の様相が変わってくる。それまでは、非常に感傷的でウェットなものだったのが、いかにもアメリカ映画らしい、ユーモアをまじえた冒険活劇へと変わっていくのだ。
おそらく、いつまでもウジウジしてなくて、新しい一歩を歩き出さなければだめだ、ということを言いたいのだろう。いかにもアメリカらしい発想だし、新しい一歩を踏み出したカールやラッセルは、冒険の末に大切なものを手に入れる。逆に新しい一歩を踏み出せない登場人物は、不幸な結末に終わってしまう。
でも、若いころならともかく、ある程度年をとっているのなら、自分が体験してきたことや、歳月というのは大切なものだと思ってしまうのだ。それをあえてカールのような老人に否定させているのだろうけど、ちょっと、そのあたりのほろ苦さが、僕には今ひとつ納得できない。
3Dでみたけど、正直目が疲れたというのもある。ハリウッドは3Dに力を入れようとしているが、視力が落ちたりしないのかなあ。画像はピクサーだけあって素晴らしいレベルだけど、やはり内容的には「マイマイ新子」の方が上でした。採点は7(TOHOシネマズららぽーと横浜)
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