【ストーリー】
昭和初期の山形県の寒村。祖父(中村嘉葎雄)と2人で暮らす10歳の少年草太(森本慎太郎)は学校にも通えないほど貧乏だったが、絵が大好きで、秋田犬のチビとともに祖父の生活を懸命に支えていた。村の金持ちの娘、早代(桑島真里乃)は、そんな草太に好意を持つが、早代の父(香川照之)は、貧乏な草太が娘に近づくのが面白くない。
村にサーカスがやってきた。祖父にサーカスに近づかないよう厳しくいわれた草太だが、ふとしたことからピエロ(浅野忠信)と仲良くなる。
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【感想】
フランダースの犬から感動部分をごっそり抜き取ったというのが正直な感想。だれもがしっているストーリーと思うので、ネタバレでしますが、「フランダースの犬」は、祖父の死後ひとりぼっちになったネロ少年が犬のパトラッシュとともに懸命に生きるけれど、回りの大人たちに冷たくされ、仕事もなくなり、最後、教会で名画を見ながら死んでいく。その魂は天に召されました。ネロの残した絵は、コンクールで賞をとり、あと少し長生きすれば、とみんなネロの死を悼みました。ここらへんが泣き所のはず。
ところが本作は、祖父の死後、草太とパトラッシュは死にました。だけで、その死をもりたてる要素は何もないのだ。吹雪のなか、早代の父は、「家に入っていくか?」と勧めたのに草太はなぜか入らないし、そもそも村の人たちに迫害されている様子もない。絵のコンクールもなければ、教会もでてこない。
また、貧乏、動物、子供は泣く三大要素と「なくもんか」の竹内結子にいわれているが、「貧乏」というが、森本くんのツヤツヤした顔は貧乏にみえないし(東北の山村だったら、ほっぺはリンゴのようになるでしょ)、「動物」は、チビは何の活躍もしないので、何でいるか分からないし、「子供」も、大人にいじめられてるならなくけれど、勝手に人の好意を蹴飛ばしているようにしかみえない。
小山薫堂脚本、松岡錠司監督だからそんな変なものを作らないと思ったのになあ。森本がジャニーズだから、汚してはいけないとか配慮したのだろうか。子役はもちろん、香川、中村、浅野といった脇役陣の演技は見事だっただけに、脚本、演出のトンデモぶりが目立っていました。ただ、繰り返しになるけど、「フランダースの犬」を知らない子供がみれば、それなりに楽しめると思います。採点は4(TOHOシネマズららぽーと横浜)
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