2021年03月03日

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

 CMだとお気楽コメディ映画かと思いきや、ユーモアの衣に包んでいるとはいえ、結構、難しくて奥の深い映画。ただ、個人的に好きかといわれると、微妙かも。

 【ストーリー】

 1980年、ソ連はアフガニスタンに攻め込んだ。テキサス州選出の下院議員、チャーリー・ウィルソンは酒と美女が大好きな型破りの議員だが、国防歳出委員会のキーマンとして、力をふるっていた。

 アフガンへの反政府ゲリラへの支援が必要と考えている彼に、極右の富豪夫人、ジョアン(ジュリア・ロバーツ)が接近、パキスタンに避難しているアフガン難民の悲惨さを伝える。一方、CIAで仕事ができるが傲岸で嫌われ者のガスト(フィリップ・シーモア・ホフマン)がアフガン担当となり、チャーリーとともに、反政府ゲリラへの支援に乗り出す。



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 【感想】

 1980年代と現在では善悪も敵味方もまるで違う。よく言われているように、アフガンの反政府ゲリラたちの中から、その後反米のテロリストが生まれ9.11にと結びつく。ガストが引用するように、まさに人生塞翁が馬で、禍福はあざなえる縄のごとしなのだ。

 表面上、マイク・ニコルズは、さらっと撮っている。そのため、単純に見ていると、ソ連兵をやっつけて万歳という、昔のランボーのような映画にみえてしまうかもしれない。けれども、この映画は実に奥が深く、例えば、議会を牛耳っているボスたちの間でトランプでもするぐらいに秘密裏に世界が動かされているとか、狂信的なイスラム教徒と同じくらい狂信的なキリスト教徒がアメリカ中枢部にいてらんちき騒ぎをしているとか、鼻歌まじりで戦闘をするとか、軽い調子で描かれ、少し不快感を覚えるけど、現実はきっとそうなのだ。

 そして、もっと腹が立つのが、アフガンからソ連を追い出すのに使った金額が10億ドルぽっちということ。例えば、赤字になるのがきまりきっているのに、計画が進められている静岡空港の総工費と変わらないのである。つまり、土建国家日本で無駄に使われているたった一つの金額で、世界の平和とか戦争とかが決まってしまうのだ。物語で、アフガンの復興のための100万ドルが得られず苦労するチャーリーの姿が描かれるが、100万ドルなんて、そのへんの文化会館の建設費よりも安いのである。僕らは戦争はよくないねといっても、実は無駄を排してその分、平和に貢献できることだって可能なのに、まったく考えもつかないのだ。

 トム・ハンクスはさすがの演技。苦渋に満ちた表情からお気楽に女の子に取り囲まれるところまで、まったくチャーリーという人間が実在するよう。ホフマンも、アメリカにはこういう破天荒なオヤジがいそうだという存在感で、オスカーの助演候補になったのもうなずける。ただ、ジュリア・ロバーツがおばさんになったのにはびっくり。チャーリーの補佐官役のエイミー・アダムス(魔法にかけられて)のチャーミングさと比べると、いくら美人女優でも年には勝てないのかとがっかりしてしまった。

 とにかく、CMのお気楽さを期待するとあてがはずれます。最低限、ソ連がアフガンに侵攻して、結局負けてそれがソ連崩壊の原因になった。アメリカは都合のいいときだけ口をだして、無責任に放り出す。それが9.11の原因になった、といった知識をもたないと、ついていけません。映画自体は奥が深いけど、僕の採点は僕の好みでつけてるので、6にとどめます。(渋東シネタワー)
posted by 映画好きパパ at 23:01 | Comment(0) | 2008年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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