2021年03月09日

ウォーリー

 ディズニー・ピクサーの新作アニメ「ウォーリー」。見る前はどこか「所詮ディズニー」と思ってましたが、クオリティの高さにびっくり。子供から大人まで楽しめ、感動できる作品です。ただ、アカデミー賞ノミネートの噂はやりすぎだと思うけど。

 【ストーリー】

 地球がゴミだらけとなり、人類が宇宙に逃げ出してから700年間。ゴミ処理ロボットのウォーリーは1体だけで、黙々とゴミを処理していた。いつしか感情らしきものが芽生えたウォーリーの楽しみはゴミの中から自分だけの宝物を見つけること。中でも、人類が残した昔の映画のビデオはお気に入り。その中に出てくる他人と手をつなぐということが、ひとりぼっちの彼にとって唯一の夢だった。

 ある日、宇宙船が降り立ち、ぴかぴかのロボット、イヴが降り立つ。ようやく自分以外のロボットに出会ったウォーリーは、乱暴なイヴを恐れながらも、うれしくてたまらない。何とかイヴの気を引こうとして、あるものをみせたウォーリー。するとイヴの活動は停止し、宇宙船に連れてかれてしまった。慌ててイヴを追っかけ、宇宙船に進入するウォーリー。実はイヴには人類の未来を左右する重要な秘密が隠されていたのだ。



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 【感想】

 デザインだけみれば、子供のおもちゃのようなウォーリー(似たようなデザインは80年代のCMにあったそう)と巨大なiポッドのようなイヴ。まさか見終わったあとに、2体のロボットがこんなに愛おしくなるとは思わなかった。ウォーリーは名前や簡単な単語ぐらいしか話さないし、イヴも似たようなものだけど、仕草がどう見ても男の子と女の子。ウォーリーの可愛さとイヴのツンデレには、いい年したおっさんでも萌えてしまいます。

 人間(映画はロボットだけど)、孤独というのは寂しく、まさにだれかと手をつないでよりそって生きていくということが、一番、大切なこと。実写だとクサイかもしれないけど、2体のロボットがそれを観客に教えてくれ、こちらも素直に受け取れる。そして、愛するもののためだったら、どんな困難でも乗り越えようとする。2体の感情の動きが素晴らしく、ウォーリーが好きなイヴに自分の宝物をみせ、それが気に入ってくれるかソワソワしている様子は自分にも覚えがある。イヴがウォーリーのやさしさを知る瞬間は、まさに「恋に陥る瞬間」がそのまま描かれている。ラストはまさに感動しましたとしか表現のしようがない。

 CGの質はすさまじく高い。冒頭、ウォーリーが黙々とゴミ処理をする場面から、宇宙に飛び出して、土星を始め惑星群を通り抜けるときの美しさ。そして、2体だけでなくモ(MO)をはじめとする個性豊かなロボット達。時折実写も交えているとはいえ、このアニメ技術を見ているだけでも飽きない。さらに、イヴの目の大きさを変えるだけで、怒ったり笑ったりするのがストレートに分かったり、アニメならではの良さをふんだんにいかしてます。また、ウォーリーとともに地球上に生存していたある虫のデザインもキュート。僕はバッタかと思ったけど、どうも××ちゃんらしいですね。でも、そんなふうにはちっともみえない。

 この恋愛?パートの方は面白かったけど、人類の未来パートはアメリカ映画特有の押しつけがましさがちょっと感じられたし、ストーリーとしても既視感もあった。地球を汚してはいけないのは分かるけれど、ロボットにすべての仕事を任してしまって、すっかり堕落=メタボになった人間の姿がでてきて、一種のディストピアとして取り上げている。手に汗して働くのが人間本来の姿というのはプロテスタントらしい考え方だけど、それこそ現代アメリカの金融関係者などにしっかりとやってもらいたいものです。なお、エンドロール後にあるものが出てきますが、考えようによっては、これは相当ブラックかも。採点は8(南町田109シネマズグランベリーモール)

 なお、ウォーリーの充電完了音がマッキントッシュPCと一緒だったり、SF映画の金字塔ともいうべき作品と同じBGMを使ったり、脱出ポットの無機質なアナウンスをエイリアンのシガニー・ウィーバーがやっていたりと、SFファンをくすぐるような小ネタが転がっています。トイストーリーの玩具も出ているそうです。
posted by 映画好きパパ at 22:25 | Comment(0) | 2008年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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