日本のロックミュージカルをゲキシネで見たので、「プロデューサーズ」を見にいった。米国の大ヒットミュージカルの映画化。舞台も映画も同じ監督で、舞台ではできないセントラルパークでのロケや服の早変わりなど映画ならではの工夫を使っているところは劇の中継メインだったゲキシネとは違うところ。
ブロードウェーの落ち目のプロデューサー、マックス(ネイサン・レイン)は新作も大コケ。だが、会計士のレオ(マシュー・ブロデリック)から、大コケで打ち切りにして、出資者に配当を支払わず持ち逃げすれば儲かるとのアイデアを聞きだし、大乗り気。レオは「ショウが当たれば計画は失敗。捕まって刑務所に入りたくない」と、加担するのを断るが、会社に戻ってみると味気ないサラリーマン生活は刑務所にいるのと同じと考え直す。
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2人は最低の脚本、最低の演出家、最低の俳優を雇う計画をたてる。苦労の末、原作にナチスーおたくのフランツ(ウィル・フェレル)が書いたヒトラー礼賛の「春の日のヒトラー」、おかまの演出家ロジャー(ゲイリー・ビーチ)、ダンサーに金髪美人でスタイルもいいが、英語もろくにしゃべれないスウェーデン人のウーラ(ユマ・サーマン)を起用。史上最低の作品を作ろうと努力するのだが…。
原作となったメル・ブルックスの同名のミュージカルはトニー賞を最上最多の11部門で受賞したブロードウェーミュージカルの傑作。映画でも開始早々、劇場の受付嬢らによる「オープニングナイト」のナンバーが始まり、ワクワクする。だが、そのあとのマックスとレオの出会うシーンでがっくり。米国人特有の大げさなギャグと下ネタのオンパレード。一気にテンションが下がった。怒鳴りあう幼稚園児のようなギャグ、(出資者のおばあさんが処女の少女の役をして、それをマックスが襲おうとするなど)が延々と続くのだ。
その後、会社に戻ったレオが平凡なサラリーマン生活を捨ててプロデューサーになりたいと決意する「I Wanna Be A Producer」のナンバーが素晴らしく、再び期待が高まる。だが、ウィル・フェレルと出会うシーンで、わざとらしく大げさな演技がこちらを引き戻してしまうのだ。「奥さまは魔女」のような抑えたコメディの方が良かった。何はともあれ、音楽シーンは素晴らしい。ユマ・サーマンもキル・ビルよりよほど魅力的だった。エンディングもミュージカルらしくおしゃれで、終わったあとにもおまけ映像がある。採点は6。僕もブロードウェープロデューサーになって好き放題したいよ。(思い返すと音楽シーンは良く、あとで7に上方修正)
なお、「レオポルド・ブルームへの手紙」という感動系の映画があったが、プロデューサーズのレオの名前もレオポルド・ブルームだったのは何か意味があるのだろうか。
2021年03月26日
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