2021年04月23日

14歳の栞

 埼玉県の市立中2年のクラスに50日間カメラが入って、生徒たちの日常を追い続けます。生徒たちも結構、本音を出していて、大人と子供の狭間の年頃の彼ら彼女らに向き合うと、思わず胸がツンときます。今年のベスト候補の1つです。

 作品情報 2021年日本映画ドキュメンタリー 監督:竹林亮 上映時間:120分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい  2021年劇場鑑賞58本



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 【ストーリー、感想】
 2年6組の35人の生徒たち。明るい人気者もいれば、孤立して友達のいない生徒、身体障害児、中には教室に入れず保健室登校の生徒もいる。そんな生徒たち1人1人にインタビューをまじえつつ、3学期の日々を追います。

 クラスが35人もいるわけですから、なんとなくグループ化して、ほとんど話したことがないような人もでてきます。それは僕の中学校時代と同じ。ほかの子が内心何を考えているのかよくわからない。それは、グループが違うだけでなくて、友人として付き合っていても実はそうだったりして、14歳でここまでいろいろ考え、悩むというのは大人と変わりません。むしろアラフィフの僕よりもしっかりしている子どももいて驚きました。

 一方で、子どもっぽい分もある。普段は「男子うざい」といっているくせに、バレンタインデーになると大はしゃぎする女子たち。球技大会でみんなが一丸となって奮闘する姿。これこそ、中学生ならではの青春です。さらに、放課後のプリクラ撮影とか通信簿の成績が悪くて家で母親に怒られたとか、学校にとどまらず中学生の世界をあますところなく撮影しているのもすごい。

 テレビドラマにでてくる中学生のように、激しいいじめとか、純愛まっしぐらのような劇的な出来事はえがかれません。しかし絶妙な編集やBGMの良さもあるし、終業式で終わるということも含めて、見終わった後に心がエモーショナルになるのは止められませんでした。特に撮影が2019年初頭で、この子たちはコロナによって卒業式もまともにできなくなることを観客はしっているわけですから、余計に等身大の生活に心をうたれます。

 生徒たちの本音を聞き出せる制作陣もすごいし、撮影を許可した学校もすごい。何より、14歳で自分の考えをカメラの前できちんといえる生徒たちがすごくて、今の子供はたいしたものだと感動しました。40年近く前の自分とも変わらない部分も多く、とにかくいろいろ考えさせられました。
posted by 映画好きパパ at 06:07 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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