作品情報 2016年中国、香港映画 監督:デレク・ツァン 出演:チョウ・ドンユイ、マー・スーチュン、トビー・リー 上映時間:110分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:新宿武蔵野館 2021年劇場鑑賞124本
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【ストーリー】
上海で暮らすアラサー女性の李安生(チョウ・ドンユイ)の所に映画会社から連絡が来る。彼女の幼馴染の林七月(マー・スーチュン)が書いた、「七月と安生」という自伝的なネット小説が大ヒットしており映画化したいのだが、七月と連絡がとれないかという依頼だった。だが、安生は七月などしらないと断る。
一方、安生は偶然、電車の中に蘇家明(トビー・リー)と出会う。中学のころから大の親友だった七月と安生。活発な安生は中学卒業後、美容師の専門学校に、優等生の七月は名門高校に進む。ところが高校で家明と出会ったため、3人の間に複雑な感情が芽生えていく。
【感想】
台湾の金馬奨で主演女優2人がダブル受賞するなど、中華圏では高く評価されている本作。固く結ばれた女性の友情のまえに魅力的な男性があらわれ、愛情が深いほど憎しみも深まるという何とも複雑な関係を描いています。
一見、破天荒な生きたかをしている安生と、故郷の田舎町にとどまって両親のいう通りの優等生になった七月。安生は都会へ行って一旗揚げようとして、ロックバンドのメンバーになるものの、傷つけられることばかり。一方、七月はこのまま、地元の会社に就職して、結婚して、子供を産むという人生に閉塞感を覚えます。このあたりの悩みは日本も中国もあまりかわりません。
そして、七月の恋人となった家明に対する3者3様の複雑な思い。日本の一昔前のトレンディードラマをみているようで、懐かしかった。むろん、中国と社会体制は違うのだろうけど、友情や恋愛で感じる気持ちというのは、日本と中国で考え方が似ているかもしれません。母親から女性の生き方のつらさを教わる七月と、家族に恵まれず七月の家庭に入り浸った安生それぞれの家庭への向き合い方も、一人っ子政策の中国ならではのところもあるけど、日本の観客もみていて感情移入するところもあるでしょう。
まだ子供じみた中学1年生のときは互いがすべてだった2人。しかし、大人になるということは、今までと違った未来をそれぞれが歩き出さなければならないということもあり、このあたりの喪失感がみていて心を打たれるのかもしれません。
チョウ・ドンユイは「サンザシの樹の下で」の13億人の妹と激賞されたけど、もうしっかりした大人の女優になっており、マー・スーチュンとの演技合戦は見ごたえがありました。3週間の限定上映とはもったいないですね。
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