2021年07月17日

グリード ファストファッション帝国の真実

 2020年に破産した“アルカディア・グループ”のオーナー、フィリップ・グリーン卿をモデルにして、ファストファッション界の大金持ちを風刺した作品。正直、社会派映画をとるマイケル・ウィンターボトム監督にしてはひねりすぎてちょっと焦点が合わなかったような。

 作品情報 2019年イギリス映画 監督:マイケル・ウィンターボトム 出演:スティーヴ・クーガン、デヴィッド・ミッチェル、アイラ・フィッシャー 上映時間:104分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2021年劇場鑑賞127本



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 【ストーリー】
 イギリスのファストファッション界の大立者リチャード・マクリディ卿(スティーヴ・クーガン)は、あこぎな手腕で中卒ながら一大で大金持ちになった立志伝中の人物。しかし、発展途上国での搾取的な労働や、違法すれすれの錬金術が議会でも問題になり、窮地に陥っていた。

 60歳の誕生日パーティーを地中海の島で豪勢に開き、セレブを呼ぶことで何とかイメージを挽回しようとするマクリディ。伝記作家のニック(デヴィッド・ミッチェル)は元妻のサマンサ(アイラ・フィッシャー)ら関係者を取材しながら、パーティーの準備を見守るのだが…

 【感想】
 モデルのフィリップ・グリーンに引きずられたのか、マクリディの子供のころから強欲であこぎな商売をしていることと、ファストファッション界が発展途上国で不当に安い賃金で労働させていたり、シリア難民の問題をいれたりした社会派的なところがごった煮になっており、テンポをくずしてしまいました。

 まあ、一大で大富豪になった成金というのは、傲慢で誠実さのかけらもないということは容易に想像がつくのだろうけど、その通りにリチャードがなっているため、あまり深みも感じられませんでした。ただ、お金があってもやることのない人は不幸だなあというのが正直な感想。豪華クルーズとか、地中海の島にローマ時代の闘技場を再現とか、何が楽しいのかよくわからない。そういうお金のむなしさを知られるという意味では、見てよかったといえましょう。

 つまらなそうな豪華パーティーの準備がグタグタで、ニックをはじめ関係者が苦労しまくるというのはイギリス映画らしいブラックユーモア的なところ。笑いどころもあるけれど、リアリティ番組のスタッフをはじめ、なんかだらだらと続いていて登場人物の交通整理ができていないような。

 せっかく、租税逃れ、発展途上国の不当労働なんて話を盛り込んでいるのに、それもリチャードの悪辣さを示すアイテムでしかなくて、通り一遍の描写に感じてしまったのもおしかった。まあ、ラストはファッションショーの一幕も含めて皮肉たっぷりなのは、これまたイギリス映画らしくてよかったけど。

 セリフでH&MやZARAの悪口をたっぷりいったり、エルトン・ジョン、ビヨンセら実在のセレブのことをとりあげたりするのもイギリス映画ならではかな。キーラ・ナイトレイ、コリン・ファースらセレブたちが本人役ででていたそうだけど、あまり気付きませんでした。
posted by 映画好きパパ at 08:18 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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