作品情報 2020年韓国映画 監督:イ・ジョンピル 出演:コ・アソン、イ・ソム、パク・ヘス 上映時間:110分 評価★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2021年劇場鑑賞143本
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【ストーリー】
1995年、韓国を代表する大企業サムジンに勤める女性社員イ・ジャヨン(コ・アソン)は、課の業務に精通しながらも高卒ということで雑用を押し付けられていた。親友でマーケティング部のチョン・ヨナ(イ・ソム)、経理部のシム・ボラム(パク・ヘス)も同じ悩みを抱えていた。
ある日、地方の向上へ行ったジャヨンは、排水溝から毒性の物質が川に捨てられているのを発見。ただちに上層部に報告する。しかし、上層部の権力争いの材料にされ、毒性は薄かったと虚偽の発表がされる。公害に苦しむ住民たちをみたジャヨンは、上層部の嘘の証拠を見つけようと、ヨナやボラムに協力を求めるのだが…
【感想】
1995年というと、Metooどころかセクハラという概念もあまり理解されていなかったころ。ジャヨンたちは仕事ができるのに、お茶くみや掃除といった雑用を押し付けられます。それでいて、英語ができる社員は出世させるとの会社の方針に従って、早朝から英会話学校に通っているのだから涙ぐましい。
それでいて、大卒の男性社員がかなわないような実力を持っているのだから格好良い。単に仕事ができるだけでなく、公害被害者を何とか助けなくてはとの正義感があるというのも、高卒女性という普段は虐げられる立場にいるからなのでしょう。男性社員たちが普段はいい顔をしても、首になるのが怖くて上層部のいいなりに不正に手を染めるというのは日本でも同じなのかもしれません。
不正を見つけ出すため、普段の雑用が役に立つというのも痛快です。例えば毎朝各社員にコーヒーを入れ、全員の好みを覚えていることから人物を割り出すとか、カタルシスがたっぷり。本来大企業の幹部なんて手の届かないところにいるはずなのに、保身のために右往左往する無能で情けない連中とは、仕事のできが違います。上層部に見つかって圧力をかけられることもありますが、それを含めて障害を乗り越え真実を見つけ出そうという彼女たちの活躍は応援したくなります。
それだけに解決方法がうーん、こんなものかという感じだったのは残念。韓国映画だったので思い切りえぐいか、情に訴えるものを期待していたのですが。コ・アソンは「グエムル」の子役ですが、すっかり大人の女性になりましたね。彼女をはじめとする90年代風ファッションもおしゃれでした。
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