2021年08月07日

犬部

 すべての犬や猫の生命を救おうとする型破りの獣医師をモデルに描いた動物映画。殺処分などの問題にも触れていますが、出てくる動物たちの可愛さに思わずほほが緩んでしまいました。

 作品情報 2021年日本映画 監督:篠原哲雄 出演:林遣都、中川大志、大原櫻子 上映時間:114分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2021年劇場鑑賞146本



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【ストーリー】
 青森県の獣医学部の学生、花井颯太(林遣都)は、殺処分に反対してすべての動物たちを救いたいとの思いから親友の柴崎涼介(中川大志)、後輩の佐備川よしみ(大原櫻子)、秋田智彦(浅香航大)らと、動物保護を目的とするサークル犬部を立ち上げる。アパートの自室は保護した犬猫だらけ、生犬の外科実験には参加しないなど動物ほどにのめり込む花井の熱意に、仲間たちも引き込まれていく。

 15年後、秋田やよしみは東京で獣医師となっているはずの颯太が逮捕されたというニュースを聞き、驚いた。さらに涼介とは連絡がつかなくなっていた。いったい何が起きたのだろうか…

 【感想】
 若い役者が学生時代とアラフォーのはずの15年後をそれほど老けた様子もなく演 【ストーリー】
じているうえ、時系列が入れ子になっているため、時々とまどうこともありました。ただ、それを入れても、颯太の動物への思い、そして殺処分やモンスター飼い主などきれいごとではすまないペット界の実情がうかがえ、興味深い。

 本来、人間の家族であり友達にもなれるはずのペットが、人間の勝手な都合で簡単に殺処分されるというのはなんともせつない。互いに動物を助けようと誓った颯太と涼介が別々の道を選んでいくのも、実際はそうだろうなと思いつつも、やはり社会構造の変化というのは簡単にいかないものだと思わせます。

 しかし、颯太のペットだけでなく人間にもぶっきらぼうだけど優しい性格、そして、変な恋愛などいれずに、颯太を支えつつペットに向き合う若者たちに絞ったプロットはなかなか心地よい。さすがにアラフォーになって逮捕されるのはどうよ、とも思いましたが、そのくらい猪突猛進でないと、物事を動かすということはできないのでしょうね。

 林はこういう思い入れが強くて変わった男という役にはうってつけ。中川や大原が受けの演技をしている分、林の演技が際立ちます。颯太の犬猫病院の助手役の安藤玉恵や、ペットを本心とは別に結果的に虐待してしまう蛍雪次郎といった渋いベテランの使い方もいい。でも、何より演技とは思えない犬猫たちの可愛さに心が癒されること間違いなし。殺処分がどう行われるか、避妊手術はどうなのかといったところもきちんとみせてくれ、ペットに関する理解も深まりました。動物愛護センターの職員が田中麗奈に似ていると思ったら、本人だったのはちょっと驚きましたが。ペットがいる人もいない人にもおすすめの作品でした。
posted by 映画好きパパ at 06:30 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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