作品情報 2021年日本映画ノンフィクション 監督:内山雄人 上映時間:104分 評価★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ品川プリンス 2021年劇場鑑賞151本
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【ストーリー、感想】
第99代総理大臣菅義偉。安倍長期政権を官房長官として支え、パンケーキ好きな庶民派として登場したが、強面で国会の答弁は不誠実など批判も出ている。他の政治家、元官僚、ジャーナリストらへのインタビューを通じて菅総理の実情を探っていく。
冒頭、多くの人から取材を断られたということから始まります。菅支持の自民党政治家の代わりに、反菅の石破茂氏や同じ横浜を地盤にした野党の江田憲司氏をインタビューするのは妥当だと思うけど、マスコミ批判している割に、現役の記者がだれもでないのには驚いた。それこそ、スターサンズでさんざん持ち上げた東京新聞の望月記者なんか菅氏を語るのに最適なはずなのに、なんででてこないのか。官僚も古賀氏、前川氏のおなじみの面々しかでてこない。それこそ横浜のドンといわれ菅氏と袂をわかった藤木幸夫氏とか、なかなかテレビで見ない人にインタビューすればよかったのに。あとは運がなかったというか、製作時期をもう少しずらして五輪批判にからめたらもっと話題を呼んだでしょう。学術会議問題なんてほとんどの人が忘れているのではないでしょうか。
さらに、がっくりきたのが、「勝負師」というイメージに悪印象をつけたいのか、むかしのヤクザ映画みたいな女壺振りがやたらとでてきたり、外国とのハーフぽい女性がでてきて甘ったるい声でしゃべらせたり。これって女性に批判させればいいという安易な考えでは?もっとひどいのがアニメーションで、自分たちの主張を垂れ流すだけ。安手のプロパガンダにしかみえません。
安倍、菅政権のスキャンダルを追及し続けている赤旗編集部や共産党の小池議員に密着するパート、政治不信を何とか変えようとする学生団体のパートは素直に面白かった。また、上西法政大教授の解説による菅総理の国会答弁がいかに不誠実かというところも、政治に関心がない層からも問題点は納得できるでしょうから、こういうファクトを全面に打ち出していけばいいのに。
政治を扱ったドキュメンタリー作品では「選挙」「なぜ君は総理大臣になれないのか」なんて秀作があります。いずれもアニメによるプロパガンダなんかに逃げずに、ファクトで今の政治のおかしさ、矛盾をついていました。本作とは雲泥の差です。僕自身、菅総理の不誠実な国会での対応はおかしいと思っているので、それを追及する合間に変なアニメが入る構成は、かなり残念でした。
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