2021年08月24日

モロッコ、彼女たちの朝

日本では珍しいモロッコ映画で、イスラム圏での女性の自立を描いています。テーマといい、抑制された演出といい、いかにもミニシアター好みの作品でした。

 作品情報 2019年モロッコ、フランス、ベルギー映画 監督:マリヤム・トゥザニ 出演:ルブナ・アザバル、ニスリン・エラディ、ドゥア・ベルハウダ  上映時間:101分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2021年劇場鑑賞165本



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 【ストーリー】
 カサブランカで、未婚で妊娠した若い女性サミア(ニスリン・エラディ)は大きいお腹を抱えて、行き場がなくて困っていた。夫と死別して、幼い娘ワルド(ドゥア・ベルハウダ)を育てながら、小さなパン屋を営むアブラ(ルブナ・アザバル)は野宿しているサミアに一泊という条件で部屋に泊めてあげる。

 だが、ワルドと仲良くなったサミアは、店や家事を手伝うことを条件にそのままいつくことになる。夫の死別後、こころを閉ざしていたアブラは困惑するのだが…

 【感想】
 サミアを妊娠させた相手はだれなのかは描かれていません。しかし、イスラム社会では未婚の母は嫌われる存在。どこにも居場所がない彼女に救いの手を伸ばしたのは、シングルマザーの女性しかいなかったというのは、映画的な話とはいえ、人の善意とかについて考えさせられます。

 それも、アブラが妊娠している大きなお腹に興味を持ったからであって、アブラ自身は面倒はごめんと拒絶的でした。アブラとサミアの何とも言えない距離感はちょっとリアルで、すぐに親友になるような展開にならないのは、フランスも出資しているからなんでしょうかね。全体的に説明描写が少ないし、俳優たちの演技も含めてリアルに感じられ、観客が考えるタイプの作品でした。

 アブラはワルドに勉強するよう口うるさくいって、ワルドも親のいうことには素直に従います。一方で、子供っぽい純真さやいたずらっぽさはサミアの前では発揮でき、シングルマザーの母子にもう一人加わるだけで、人間関係が大きく広がることは興味深い。一方、サミアは出産後、シングルマザーとして育てることははなからあきらめています。米国映画の「17歳の瞳にうつる世界」で、米国ですら未婚の母が生きていくのは厳しい様子が描かれていましたから、ましてアラブでは、といったところでしょう。

 ただ、授乳シーンで胸がはだけたり、化粧をするシーンもあって、イスラム圏の映画でこうした描写があるのはちょっと驚きました。女性の権利が少しずつ増えているのかもしれません。また、監督が女性だからかもしれませんが、目線がドライだけどやわらかいのがいい。パンをはじめとするモロッコ料理やファッションにも注目です。
posted by 映画好きパパ at 06:04 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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