2021年08月27日

海辺のおんなのこ

 前半はHな展開が自分と合わなかったのですが、ヒリヒリした心の触れ合いに中盤から一気にひきつけられました。主役カップル2人のひたむきさもさることながら、中田青渚がいい味を出していました。

 作品情報 2021年日本映画 監督:ウエダアツシ 出演:石川瑠華、青木柚、前田旺志郎  上映時間:107分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 2021年劇場鑑賞168本



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 【ストーリー】
 憧れの先輩、三崎(倉悠貴)に体をもてあそばれそうになった中2の佐藤小梅(石川瑠華) は、その反動で以前、自分に告白してきたクラスメイトの磯辺恵介(青木柚)相手に初体験をすませる。

 その後、ずるずると体を重ねていく2人。そんな2人の様子を怪しんだ小梅の幼馴染の鹿島(前田旺志郎)は、磯辺に詰め寄る。一方、最初は体だけの関係だと思っていた磯辺に、小梅は次第に引かれるようになるのだが、磯辺は人を寄せ付けない秘密があり…

 【感想】
 中学生の肉体関係という際物っぽいテーマに最初はひいてしまいましたけど、肉体は発達しているのに精神的には未熟で、いろいろ内面でぶつけたくなるような焦燥した時期を体現していたと思います。物語が動き出す中盤からは目が離せなくなりました。

 小梅は家庭環境も普通なのに体におぼれてしまうというのは、中学生としてどうなのか彼女の心境はよくわかりません。しかし、磯辺のほうは、一度は振られた小梅に対する複雑な思い、父親(村上淳)との複雑な関係、そして過去へのしがらみと掘り下げられています。青木が、磯辺の暗い目をすさまじい演技で見せており、たいしたものだと感心してしまいます。

 一方、石川の体当たりの演技もさすがで、一見大人しそうに見えて実は…という役柄は同年代では彼女しかできないのでは。親友の桂子(中田青渚)の前では子供っぽい中学生で、でも、男の前では欲望をきちんとみせていて、女性の怖さを感じ取ってしまいます。同時に、中学であんな体験をしてしまったら、今後、世間でいうまっとうな恋愛ができるのか、小梅のことがちょっと心配になってしまいます。

 中田と前田の親友コンビがいいアクセントになっていて、重苦しさを絶妙なところで救ってくれます。また、うみべの女の子というタイトルも、意味が分かった時には感心しました。まあ、全体的に中学生にみえるかというと厳しいところもありましたが、さすがにこのテーマを未成年の俳優は使えないだろうし、許容範囲なのかな。海辺のさびれた町の描写も含めて、心をざらつかせてくれる作品でした。
posted by 映画好きパパ at 06:07 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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