2021年08月29日

孤狼の血 LEVEL2

 役所広司主演でスマッシュヒットした「孤狼の血」(2017年)の続編。面白かったのだけど、役所の存在感はまた別格だなとしみじみ。

 作品情報 2021年日本映画 監督:白石和彌 出演:松坂桃李、鈴木亮平、村上虹郎  上映時間:139分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2021年劇場鑑賞170本



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 【ストーリー】
 亡き先輩刑事大上(役所広司)の遺志を継ぎ、非情な手段を使って広島の暴力団抗争を抑えてきた刑事・日岡(松坂桃李)。だが、自分が服役中に日岡の陰謀で殺された五十子会長(石橋蓮司)の敵を討とうと、狂暴な上林成浩(鈴木亮平)は執念を燃やす。
 
 邪魔者は次々に消す上林の暴走で、何とか平穏を保っていたはずの広島の裏社会は大きく揺れる。日岡は昔馴染みのホステス近田真緒(西野七瀬)の弟で、上林配下のチンピラ幸太(村上虹郎)をスパイに仕立て上げる。一方、上林の犯した殺人事件の捜査にあたった日岡は定年間近の刑事、瀬島(中村梅雀)とコンビを組むことになり、上林が手を下した徹底的な証拠を挙げようとするのだが…

 【感想】
 バイオレンスのえぐさは前作同様で、特に上林の残虐性は特筆すべきもの。同時期に包装されている「TOKYO MER」では正義の医者とし主演をしているとは思えません。見るからに狂暴、冷酷な上林になりきっています。自分の邪魔をするなら目上の人間でも簡単に排除していき、本作では一番おいしい役どころでした。

 一方、前作では大上にもヤクザにも翻弄された日岡ですが、彼の遺志を継いで一匹狼として広島を守ろうとします。その必死さは松坂から伝わってきますが、同時に大上よりは人間として一段落おちるように、役所の不在がひしひしとつたわってきます。こうした点も見据えて松坂が続投、主演となったのでしょうけれどね。

 脇役では在日というレッテルを持ちながらあがく幸太役の村上、そして中堅ヤクザ役としては、まさに右に出るもののない毎熊克哉がいい味を出していました。そして、梅雀、寺島進といったベテラン、前作から続投の音尾琢真、中村獅童と多士済々たる顔ぶれ。また、西野のこういう映画になれない感じも役柄にあってました。一方で、広島の大物組長役の吉田鋼太郎、ヤクザの姉さん役のかたせ梨乃といったあたりは、ヤクザ映画だからこういう人が必要だねという感じにとどまっており、ちょっともったいなかったかも。

 また、前作は頭脳戦の様相もありましたが、本作はアクションがメインになっているので、その部分は前作のほうが好みかな。滝藤賢一演じる県警幹部の腐敗も前作同様でてきますが、とにかくぶちのめしたくなるほど。最後にきっちりとオチをつけたのは、観客のカタルシスを呼ぶから良かったかもしれません。本作は映画オリジナルですが、原作がある次作への弾きも作っています。3作目が観られるかたのしみです。

posted by 映画好きパパ at 07:01 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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