2021年09月08日

シュシュシュの娘

 インディーズ出身で、最近は大作映画も手掛ける入江悠監督がミニシアター支援のために作った作品。監督が好き放題やっているので、正直、僕には合わないところもありましたけど、監督のミニシアターを救いたいという思いには共感するので、見てよかったと思いました。

 作品情報 2021年日本映画 監督:入江悠 出演:福田沙紀、宇野祥平、井浦新  上映時間:88分 評価★★★(五段階) 観賞場所:渋谷ユーロスペース 2021年劇場鑑賞180本



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 【ストーリー】
 埼玉県の地方都市で市役所に勤める鴉丸未宇(福田沙紀)は、寝たきりの祖父吾郎(宇野祥平)の介護をしながらひっそりと暮らしていた。折から、市では外国人排除条例が施行されたが、祖父が反対運動に加わっていたため、未宇は役所で針の筵だった。

 市役所の先輩で未宇にただ一人優しく接してくれた先輩の間野(井浦新)が上層部からの指示で公文書の改ざん、それを苦にして自殺してしまう。未宇は吾郎から驚くべき秘密を打ち明けられ、間野の仇をとるべく改ざんの証拠を見つけ出すよう命じられる。

 【感想】
 オフビートなギャグでゆるーく続くのかと思っていたので、ラストのテンポが自分と合いませんでした。イングロリアス・バスターズの酒場のシーンのようになれば、まだ、良かったのですがちょっと中途半端な気がします。

 そこまで至る地方都市ならではの閉塞感というのは、入江監督をはじめ山下敦弘、大森立嗣といった若手監督得意の題材。入江監督作品ということが頭にあったせいか、深谷のミニシアター、深谷シネマでのロケも含めていかにも埼玉の田舎町の雰囲気がでていました。人間関係も狭い村社会というのは埼玉だけでない日本の特徴なので、若手監督たちが題材にするのも理解できます。

 未宇の謎ダンスや、これまた奇想天外な出生の秘密までゆるーく笑えるようなシーンが多い。市役所でのいじめシーンや、間野が自殺した証拠を探るシーンもねちっこいけど、それほど深刻ではなく、いかにも日本っぽい感じでした。ただ、それが終盤になるにつれ、撮影はゆるーいのにストーリーだけシリアスになるのが、僕の好みから離れました。正直、一方的すぎてカタルシスがなく、そのへんはまったく個人によって受け取り方は違うのでしょうけど。また、公文書改ざんといった風刺もストーリー上の都合でいれてるようにみえ、「全員切腹」のようなストレートさのほうがタイプです。

 福田は久々にみましたけど、なんて言っても謎ダンスのときの表情がたまらない。どうせならメイド刑事ばりにモップを使ったアクションとかあっても良かったかもしれない。ベテランの宇野が特殊メイクで寝たきりの老人という出オチも面白かった。脇役では未宇の親友役の根矢涼香が、いかにも埼玉の若者という感じがでていました。まあ、大作映画の分かりやすさとは違う、入江監督らしい作品とはいえましょう。

posted by 映画好きパパ at 06:11 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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