作品情報 2019年ガーナ、ドイツ、日本映画 監督:セバスチャン・スタイン、ニンジャマン 出演:エリーシャ・オキエレ、セバスチャン・スタイン、秋元義人 上映時間:84分 評価★★★(五段階) 観賞場所:シネマ・ジャック&ベティ 2021年劇場鑑賞182本
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【ストーリー】
第2次大戦に負けたナチスのヒトラー(セバスチャン・スタイン)と大日本帝国の東条英機(秋元義人)は実は生きており、ガーナに潜伏していた。東条の空手パワーで不老となった2人は、ハーケンクロイツの魔術でガーナ・アーリア人を作り出し、再び世界征服に乗り出そうとしていた。
ガーナでカンフーを習う青年アデー(エリーシャ・オキエレ)は、ヒトラーたちに道場を襲われ師匠を殺され、恋人のエヴァ(ンケチ・チネドゥ)も誘拐されてしまった。アデーはカンフーの達人たちのもとで修行して力を付け、ヒトラー主催の武術大会に出場する。そこは敗れたら命のない死の武術大会だった。
【感想】
師匠を殺され、恋人を奪われたカンフーの若者が、修行して強敵を倒すというのは40、50年前の香港映画の王道的ストーリー。本作もそれにのっとりつつ、ヒトラーと東条が生きていたという驚天動地なアイデアをぶちこみ、異様な熱量と摩訶不思議なテイストを醸し出しています。
ガーナ映画をみるのは初めてです。監督のインタビューによると、ガーナは映画に関しておおらかで脚本もなく、ピントがずれているのも普通だとか。だから映像は非常にチープで、特撮も高校生の映画研究会レベルのもの。武術大会といっても、ビルの一角や町の広場で行われ、見物人も子供を含めても20人ぐらいと低予算だということがものすごくわかります。さらに、アデーも容赦なく敵を殺す残酷なノリも、レトロな感覚かも。カンフー対空手という、これまた香港映画的題材に俳優や製作陣がノリノリというのが伝わってきて、失笑しつつもそれほど嫌な気にはなれません。
スタイン監督は日本在住のドイツ人で脚本も手掛けてます。秋元は彼の知り合いの何でも屋で、頼まれたから出演しているとか。プロの俳優ではないですが、声の通りが非常に良い。基本的にセリフは日本語なので、基本、英語かドイツ語の作品のなかで異彩を放ってます。なお、なぜか字幕は関西弁なのに、東条は標準語なので余計に変な気がするかも。
旭日旗の中に卍をいれた新しい国旗をだしたり、ゲーリングが黒人だったり、とにかく何でもありの上、第二次大戦をまじめに考えた場合、不謹慎なセリフもずばずば。まあ、イタリアを除いて、ドイツ、日本、ガーナの新三国同盟を作ろうというのは、ジョークの範囲内でしょうけど。酔拳もでてくるので、ガーナの地酒「アドンコ」があちこちに登場。アドンコの会社がスポンサーになり、社員がいわくありげなエキストラで登場するなどとにかく、無茶苦茶なノリです。なお、アマゾンプライムでもみられるそうなので、どんな雰囲気かのぞきたいならそちらでもいいかも。
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