作品情報 2020年デンマーク、スウェーデン、オランダ映画 監督:トマス・ヴィンターベア 出演:マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグヌス・ミラン 上映時間:117分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2021年劇場鑑賞188本
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【ストーリー】
冴えない高校教師で妻アニカ(マリア・ボネヴィー)との仲もしっくりいかないマーティン(マッツ・ミケルセン)。授業がつまらないと生徒の親から突き上げを食らい、悶々としていたところ、同僚のニコライ(マグヌス・ミラン)の誕生日に面白い話を聞く。それはアルコールを血中の0.05%に保つと仕事がうまくいくというもの。
マーティンやニコライ、同僚のトミー(トマス・ボー・ラーセン)、ピーター(ラース・ランゼ)と早速酒を飲んで授業を行ってみる。すると口調も絶好調で生徒から大人気に。気をよくした4人は連日酒を飲むようになるのだが…
【感想】
僕自身は若いころには大酒で失敗したことがあるけど、最近は体力的な衰えもあってほとんど飲んでいません。週に缶チューハイ1本程度でしょうか。だから、大酒で失敗する登場人物たちをみると、懐かしさと恥ずかしさとバカらしさがそれぞれ混じってきました。
酒を飲んで調子がよくなることはあるとはいえ、教師が酔っぱらって授業をするなんてあまりにもばかばかしい。最初はビギナーズラックで良かったのですが、どんどん問題が起きてきます。さらに、酒は依存傾向があり、最初は少量の酒ですましていたのがだんだん量が多くなり…
エンドロール後の字幕でありましたが、デンマークでは高校生でも法律的に飲酒可能だそう。若さゆえの無軌道というのはみっともないですけど、たしなめるはずの教師たちがこれでは、というシーンが続きます。それでも、酒を手放せないというのはある種の人間らしさでしょうか。アブサンをはじめ日本ではなかなかみかけない酒のカクテルも見ものです。
とりかえしのつかない失敗も起きますが、それでも酒は好きな人にとってはなくてはならないと思わせる、ちょっとした爽やかさもあります。まあ、酒のみに都合がよすぎるというエピソードもあるけど、ミケルセンのきれっきれのダンスをみればすべて許せちゃうから不思議です。でも、日本では近年特に飲酒での失敗に厳しい風当たりが起きていますので、酒飲みはご注意を。
ウィンターベア監督は撮影中に19歳の娘を亡くしており、彼女はこの映画に出演予定だったとか。高校のクラスメートは実際の娘のクラスメートだそうです。それでこういう映画を作れるのだから、なかなか奥深い。アカデミー国際長編映画賞受賞というのは、それだけ欧米でアルコール依存症が問題になっていることもあるのかもしれません。
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