2021年09月22日

ショック・ドゥ・フューチャー

 1978年のパリ、電子音楽に初めて出会った若手女性ミュージシャンの1日を描いた音楽映画。日本製品が電子音楽に与えた影響の大きさに結構びっくりしました。

 作品情報 2019年フランス映画 監督:マーク・コリン  出演:アルマ・ホドロフスキー、クララ・ルチャーニ、フィリップ・レボ  上映時間:78分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネマカリテ 2021年劇場鑑賞195本 



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 【ストーリー】
 若手ミュージシャンのアナ(アルマ・ホドロフスキー)は、依頼されていたCM曲が作れず、担当者(フィリップ・レボ)とのやりとりに疲れ果てていた。最新の音楽に興味がない担当者の嫌味に負けずに曲作りをしていたが、とうとうシンセサイザーが壊れてしまう。

 やってきた修理業者はたまたま日本製のリズムマシン「ROLAND CR-78」を持っていた。パリに3台にしかないそのリズムマシンの魅力にとりつかれたアナは、強引に借り受ける。そこへCM作りにやってきた歌手のクララ(クララ・ルチャーニ)と意気投合。2人で新しい曲を作ろうとするのだが…

 【感想】
 音楽史にうといのですが、YMOが世界を席巻したように日本の電子音楽というのは当時世界の最先端だったのでしょう。劇中でも東京のレコード屋が世界で一番良いというセリフもありました。ただ、本作は音楽史を描くのではなく、初めての音楽に出会ったアナの興奮の1日だけを描いたもの。アナがその後、成功するのかしないのかを含めて、次の日以降のことはまったくふれていません。ロックなんか電子音楽にくわれて博物館行きよとアナが啖呵を切る場面もありますが、現実には電子音楽は流行したけどロックも進化したわけですし。

 冒頭、Tシャツと下着だけのアナが、当時はやっていたディスコ音楽に合わせて踊っているシーンを長尺で撮ったところからひきつけられました。マーク・コリン監督は本業がミュージシャンということだけあり、音楽シーンがやたら多いし、見ているこちらも踊りだしたくなるようなアップテンポな曲ばかりです。

 一方、クララと一緒にバンド話で盛り上がったり、アニメを寝っ転がってみたり、ミュージシャン仲間と海外のお宝レコードを効かせてもらったりと、全然ドラマチックでない女性ミュージシャンの日常がゆるーく描かれています。曲作りのシーンは結構長々と描いていてリアルっぽさがすごい。

 一方で、広告担当者をはじめ業界人からセクハラめいたことをいわれたり、ちょっといかがわしいバイトで稼いで客からあれこれいわれても、やんわりかわすしかない当時の事情みたいなのも浮き彫りに。部屋でパーティーを開いて大物業界人にこびをうるなんていうのは現代も変わらないのでしょうね。

 アルマ・ホドロフスキーはアレハンドロ・ホドロフスキーの孫娘だそうですが、存在感があっていい女優。音楽への情熱を胸に秘めつつ、女性が大変な音楽業界であらがう姿は30年以上たったいまでも通じるものがあるのか、アナになり切っていました。クララとのコンビもいい感じで、2人ともミュージシャンとしても活躍しているので、こういう音楽映画にぴったりです。電子音楽に詳しくなくても、ムードにまったり浸れる逸品でした。
posted by 映画好きパパ at 06:14 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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