作品情報 2021年日本映画 監督:金井純一 出演:ムロツヨシ、奈緒、中田乃愛 上映時間:116分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2021年劇場鑑賞202本
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【ストーリー】
牧師の御堂一男(ムロツヨシ)は8年前、最愛の妻・江津子(奈緒)を事故で亡くし、中学生の娘ひかり(中田乃愛)を男手一つで育てていた。生活は苦しく、ガソリンスタンドでのバイトも余儀なくされたが、文句を言いつつ教会を手伝うひかりと和やかに暮らしていた。
ところが、ひかりが白血病で倒れてしまう。しかも、検査の結果、一男の間に親子関係はなかったことが判明した。いったい彼女は誰の子供なのか。骨髄移植のため、実の父親を必死になって探す一男だったが…
【感想】
おかしなところはあるし、ありきたりな演出なんだけど、血がつながっていないけどこれまで愛しんで育てた娘を救う父親の姿で細かいところはいいんだよ、となってしまいます。劇場内でもすすり泣きが聞こえました。血のつながりよりも一緒に育ってきた時間が大切だったということなのでしょう。
テーマから、小学生らしい子連れも見に来ていましたが、江津子のHなシーンや、病気でヤケになった彼女がとろうとした行動とかみると、ちょっとまだ早いかな。でも、そういう場面を入れることで、性と愛は結びついているということも実感したのですけど。
一男の娘への愛はもちろん、ひかりの友人や江津子の関係者も含めて、主要登場人物に悪人がいなかったのも感動をましましにしてくれます。口の悪いホームレス(光石研)ら町の人たちが、ドナー登録をしようと動くシーンとか、わかっていてもついぐっとくるものがあります。
ムロツヨシは意外にも映画初主演。座長としての役割をしっかり果たしていました。一方、中田乃愛は本当にしたのかカツラかわかりませんが、闘病生活で痩せほそり頭をスキンヘッドにするなど体当たりの演技。父が好きなんだけど恥ずかして反抗してしまうという思春期の素直な女の子を表現していて、余計に観客に同情させます。このほか、毎熊克哉の歌がうまかったり、小栗旬がなんでこんな役ででているのという感じででていたり、そこそこ楽しめる仕掛けもありました。まあ、こういう世の中だからこそ、素直に難病もので人間の善い心に触れたいというのはあるかもしれません。
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