作品情報 2021年韓国映画 監督:クォン・オスン 出演:チン・ギジュ、ウィ・ハジュン、パク・フン 上映時間:104分 評価★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2021年劇場鑑賞211本
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【ストーリー】
聴覚障害のギョンミ(チン・ギジュ)は帰宅途中、助けを求める女性ソジュン(キム・ヘユン)に気付く。それは連続殺人鬼のドシク(ウィ・ハジュン)の犯行現場だった。目撃者を消そうと、ドシクはギョンミに襲い掛かる。一方、ソジュンの兄、ジュンタク(パク・フン)は妹の帰宅が遅いのを心配して、探しに出るのだが…
【感想】
必死で走って逃げるソジュンと追いかけるギョンミの駆けっこシーンは絵になっていた、特にチン・ギジュの走るフォームは見事だったとだけ、最初に言っておきます。あとはネタばれの感想です。
序盤、聴覚障害で聞こえないと思っているギョンミは、会社の接待の宴会で嫌らしいことをいわれます。しかし、ギョンミは唇の動きで相手の話を理解します。さらに、相手が手話が分からないことを利用して、手話で悪口を言ってうっぷんを晴らします。また、ギョンミの母(キル・ヘヨン)も聴覚障害者で、2人が他人にわからないよう手話で会話するのも伏線となっています。
この序盤の飲み会や、いい年をした妹へ過干渉のジュンタクの態度をみていると、韓国ってまだまだ男尊女卑が続いているのだなあとあきれてしまいます。ドシクは女性ばかりを狙っているのかと思っていたのですが、男性も犠牲者にしており、どういう基準で彼は被害者を選んでいたのかわかりませんが、そういった意味での男女差別はしない犯人でした。もっとも、自分より力の劣る女性をどこまでも追いかけるというのは卑劣極まりなく、一見、イケメン風の容姿もあいまり、みているこちらもにくくなっていきます。
さて、この映画をみていらいらしたのは、聴覚障害者とまともにコミュニケーションをとろうという人がいないこと。現実にもそうだということを訴えたいのかもしれませんが、血だらけのギョンミが必死に助けを求めているのに、だれも彼女が殺されようとしていると思わないどころか、とんでもない行動を取る人もいて本当にイライラ。警官や軍人ですらそうなのです。
そういった公的機関が無能なせいもあるかもしれませんが、警察に通報すれば事件は解決するのにと思っているのに、登場人物はだれも通報しようとしません。100歩譲ってギョンミは聴覚障害で大変だということにしても、ジュンタクなんか元海兵隊の健康男子なんですから、さっさと警察に通報すればいいのに。通報したらそこで映画が終わってしまうのかもしれませんが、とにかく登場人物たちの行動をみていてイライラしっぱなしになりました。ホラーやサスペンスって、バカな行動を取る人から犠牲になるのが鉄則ですけど、本作のように全員バカな行動をとるというのは一周回ってアバンギャルドなのかもしれません。
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