2021年10月14日

スクールガールズ

 1992年のスペインの女子校を舞台に少女の揺れる心を動いた青春映画。予想と違って恋愛要素はなく日常的な描写を淡々と描き、母娘関係にもフォーカスされていくのだけど、思春期の内面を素直にとらえている佳作です。

 作品情報 2020年スペイン映画 監督:ピラール・パロメロ  出演:アンドレア・ファンドス、ナタリア・デ・モリーナ、ソエ・アルナオ  上映時間:105分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:新宿シネマカリテ 2021年劇場鑑賞216本



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 【ストーリー】
 スペインの田舎町で修道院に併設された女子校に通う11歳の少女セリア(アンドレア・ファンドス)。優等生だがシングルマザーの母(ナタリア・デ・モリーナ)の干渉がそろそろうざくなってくるころだ。

 そこへ大都会バルセロナから大人びた少女ブリサ(ソエ・アルナオ)が転校してくる。彼女も母子家庭で、似たような境遇から親友になったセリアだったが…

 【感想】
 カセットテープをウォークマンで聞いて踊ったり、ディスコに生まれて初めて行ってドキドキしたり、あのころ青春を過ごした世代なら懐かしく思うでしょう。父親と死別して、母のいうことを素直に聞いていたセリアも、友達とつるむうちに次第に自分の考えをしっかりもつようになります。

 ブリサは大人びており、彼女の家に遊びに行ったセリアは生まれて初めてコンドームを見つけてしまいどぎまぎ。また、一緒に行ったディスコで初めてナンパ(相手も初めてらしくてギクシャクした会話がほほえましい)されたり、性についてのほのかな興味が目覚めているところもうまく表しています。僕の娘も同世代なんだけど、そろそろこういう年頃なんだろうなあと思ってしまいました。

 しかし、カトリックの強い田舎町ではシングルマザーへの風当たりは強い。結婚相手以外との性交渉は地獄に落ちると信じられているころです。また、ブリサが都会風なのも周囲から白い目でみられがち。2人以外の少女が仲良くしてきたり、うざがられたり、はたまたストレートに疑問をぶつけて傷つけたりといった描写も、露骨ないじめ場面がないだけに余計リアルに感じてしまいました。

 そして、ブリサと付き合って精神的に成長したセリアは終盤、ある秘密と向き合うことになります。実はその秘密は友人関係というのではなく、家族の問題であり、それまでもちょっとずつ提示されていた母と娘の微妙な関係の延長になります。母親は生活に疲れており、娘に愛情があるにしてもちゃんと向き合わなかった積み重ねみたいなものでしょうか。しかし、ずばりとした解答があるわけでなく、見ているこちらをもやもやさせるのもリアルっぽいといえます。

 それにしても11歳の設定のわりには容姿、性格とも大人びた感じで、スペインの若い女の子はこんな感じなのかな。
posted by 映画好きパパ at 05:57 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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