2021年10月31日

息をするように

 新進気鋭の枝優花監督が、シンガーソングライターKarin.の楽曲から作り上げた短編。伊藤万理華の抑えた演技に驚きましたが、事前に情報を仕入れずみたので、彼女が少年役ということにもっと驚きました。

 作品情報 2021年日本映画 監督:枝優花 出演:伊藤万理華、小野寺晃良、 上映時間:22分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2021年劇場鑑賞234本



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【ストーリー】
 両親の離婚で田舎町の祖母のところに転校してきた高校生アキ(伊藤万理華)。自分は何のとりえもない卑小な存在と孤立していた彼だが、クラスの人気者キイタ(小野寺晃良)が声をかけてくれ、少しずつ仲良くなっていく。だが、なんでも持っているかのようにみえたキイタにも周囲には言えない秘密があった…

 【感想】
 自分は何もとりえがなく、普通ではないと悩むアキ。最初、伊藤が演じていることもあり、性同一性障害で悩んでいるのかと思っちゃいました。ただ、公式サイトとかみると、それはテーマではなく、単に伊藤が男性役をやっているだけのようです。

 まあ、普通は何かというのは大人になっても難しい問題で、特にコンプレックスを抱えた少年の場合、思春期はいっそう悩むわけで、アキがウジウジしている様子をみると、つい「頑張れ、世の中そんな悪くないよ」と声をかけたくなります。こんな彼に親友ができるとほっとします。

 また、一見恵まれたキイタにも悩みがあるわけで。こうした青春時代のもやもやを、枝監督らしい優しさと青春の一瞬を澄み切った映像で切り取った秀作といえましょう。Karin.の楽曲から着想したということもあり、美しい映像と音楽がうまくかみ合っているのもポイント。

 伊藤は「賭ケグルイ」「サマーフィルムに乗って」、ドラマ「お耳に合いましたら」と元気があるか、うるさいような女子役が強かったので、本作のような内向的で繊細な男の子役というのはびっくり。トップアイドルとして演技のレッスンを積んだんだろうなあと納得してしまいました。小野寺も「賭ケグルイ」には出演していましたけど、2人の組み合わせは作中なかったので、本作の組み合わせはちょっと新鮮でした。


posted by 映画好きパパ at 06:45 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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