2021年11月07日

アイの歌声を聴かせて

 ちょっぴりポンコツな女子高生姿のAIとクラスメイトが織りなす青春アニメ。ちょっと先の未来はこういう時代になるのかという設定はうまかったですが、肝心のタイトルにもなっている歌声がちょっとインパクトが弱かったかな。

 作品情報 2021年日本映画アニメ 監督:吉浦康裕 出演:土屋太鳳、福原遥、工藤阿須加  上映時間:108分 評価★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ川崎 2021年劇場鑑賞244本



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 【ストーリー】
 ちょっと近未来。女子高生のサトミ(声・福原遥)のクラスに謎の美少女、シオン(土屋太鳳)が転校してくる。シオンは初対面のサトミにいきなり近づき「サトミ 幸せ?」と大声で聞いてくる。実はシオンはサトミの母美津子(大原さやか)が極秘裏に開発した新型AIロボット。会社上層部にも黙って、人間にみえるかどうかテストをしているためのものだったのだ。

 シオンは学校で孤立していたサトミを励ますためいきなり歌いだしたり、おかしな行動をとる。やがて、サトミの幼馴染のトウマ(工藤阿須加)、クラスのカースト最上位のゴッちゃん(興津和幸)とアヤ(小松未可子)、熱血柔道部員のサンダー(日野聡)に正体がばれてしまう。騒ぎになったら母親が責任をとらされると思ったサトミは、黙ってくれるよう頼むのだが…

【感想】
 今よりも科学がちょっと進んで近未来という世界観はありそうでなかったもの。車は自動運転で、舞台となる町は大手IT企業の城下町ということもあり、風力発電用の設備やロボットの実証実験などがそこかしこで行われています。昔ながらの海や田園風景との融合を、アニメだからこそできるように精緻に描いています。

 AIのサトミも外見は人間ですが、まだ生まれたてのAIということで、行動は突拍子もない。しかし、自己学習機能とか最近のホットワードをうまく取り込んだ形になっています。そして、幸せを歌にして表そうとするのは、ディズニーっぽい劇中劇「ムーンプリンセス」によるもの。このあたりの構成は見事でした。

 ただ、サトミが美津子を気に掛けるがあまりシオンのことを話し出せず、トラブルがどんどん起きるというあたりが、今一つピンとこない。母子関係に絡む大企業内部のごたごたも取って付けたような感じで、ET以来の悪い大人から逃げる来訪者のパターンを踏んでいるのでしょうけど、あまり深みがあるとは思えませんでした。

 ITオタクのトウマとサトミとの関係も、初恋ネタとしては既視感があり、深みがあるとは言い難い。青春群像劇でトウマを含めた友人達の立ち位置も悪くはないんだけど、あと一つ足りないという感じでしょうか。

 その原因は、個人的にはグッとくるような音楽がなかったこと。最近だと「竜とそばかすの姫」の音楽とか、すごい印象的で後に残る曲でした。でも、本作の音楽は優しいのだけど、淡白で、後に引かないのですよね。土屋の歌は悪くはないのだけど、「竜とそばかすの姫」のように本職のシンガーを起用してもよかったのかもしれません。

posted by 映画好きパパ at 19:48 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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