作品情報 2021年日本映画 監督:畑中晋太郎 出演:中尾拳也、兒玉遥、永田崇人 上映時間:93分 評価★★★(五段階) 観賞場所:テアトル新宿 2021年劇場鑑賞250本
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【ストーリー】
高3の真理(兒玉遥)は友人の明(岡本尚子)に花見に誘われ、明の幼馴染の一平(中尾拳也)と浩太(永田崇人)と知り合う。真理は一平に恋心を募らせるが、明も彼のことが隙ではないかと不安になる。
夏祭りの夜、真理は一平に告白する。一方、病気がちの浩太は中学生の時に入院していた。その時、一緒に入院していたアサミ(夕帆)と偶然、再会する。
【感想】
高校3年生という人生で一番思い出に残るだろう年を謳歌する4人の高校生男女。みんな仲良しで、勉強も遊びもバイトも楽しんでいるけれど、それぞれ悩みや秘密はある。それだけだったらよくある青春映画なんだけど、ノースターということもあり、4人の動きが非常にリアル。僕も割と映画をみているほうだけど、1人もしっている役者がいなかったので、逆に芝居臭を感じませんでした。
もともと舞台劇だったこともあるのでしょうけど、例えば1人がセリフをいっているときに、別の人とセリフが重なったり、リアルではよくあるけど、スター主役の青春映画ではまずないシーンが結構あります。さらに、口調も早口で聞き取りづらかったりして、これまたセリフがはっきりしている通常の映画とは違いを感じました。
また、特に大きな出来事もないまま中盤まで過ぎていき、そのなかでもささいな出来事に一喜一憂する4人がみていていとおしくなります。4人以外の脇役も芝居の巧い下手というよりも、いかにもリアルにいそうな感じで、事前情報なしでみていたため、これはどういう着地をするのだろうと興味津々でした。
それが終盤で一気に変化して、想像もしていなかっただけにびっくり。演者の熱演もあり、ますますどういう着地なのか楽しみでした。そして迎える終末ですが、うーん、これは完全に個人の好みで分かれるかなとおもったところに、エピローグ。まあ僕自身に合わなかったけれど脚本と演出を手掛けた畑中監督の意欲、意気込みは伝わってきました。こういう小ぢんまりした青春映画で、日常を描くという作品はありそうでないので(非日常を描く青春映画は今年も豊作でしたが)、次回作も楽しみです。
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