2021年11月22日

シノノメ色の週末

 アラサー女性の悩みを等身大に描いた女性監督ならではの作品。内容も上映時間も軽い話ですが、恋愛がいっさい無しというのに好感をもてました。

 作品情報 2021年日本映画 監督:穐山茉由 出演:桜井玲香、岡崎紗絵、三戸なつめ  上映時間:80分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:アップリンク吉祥寺 2021年劇場鑑賞263本



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 【ストーリー】
 アラサーの売れないモデル、美鈴(桜井玲香)は高校時代の同級生で同じ放送クラブだった雅美(三戸なつめ)から、母校の篠の目女子校が廃校となり、校舎が壊されることが決まったから見に行こうと誘われる。放送クラブの部長だった、まり(岡崎紗絵)も加わって廃校となった母校を訪れた3人は、卒業のころに埋めたタイムカプセルを探すことにする。

 窓が空いていたため校舎に忍び込んだ3人は懐かしさで高校時代に戻った気分。なかなか見つからないタイムカプセルを探すため、次の週末にも集まり、自分たちの活動を「週末放送クラブ」となづける。そこへ、忘れ物をとりにきた現役女子高生のあすか(中井友望)も加わり…

 【感想】
 高校時代は無敵に感じて夢いっぱいだったのに、次第に現実が見えてくるアラサーの年頃。ギャルモデルとして活躍していた美鈴は、ギャルの時代が終わり、しょぼい仕事しかやってきません。OLとなったあとの2人も、嫌な上司や彼氏ができないこと、高校時代の夢だったカメラマンになれなかった不満などが、オリのようにたまっています。
 
 そんな3人が久々に学校で会ったことで、時間が一気に戻ったような錯覚を覚えます。3人とも高校時代の制服を着てウキウキし、そこを現役女子高生のあすかに見つかったときの気まずさとか、おじさんの僕がみてもにやにやしました。時には互いを助けようとし、時には喧嘩する3人の関係は尊い。

 久々の再会なのにあっという間に学生時代の気持ちに戻れるところや、たった10年前だけど忙しさにまぎれて、自分の気持ちが見失っていたなんて、ありがちかもしれませんが、うんうんそうだよね、とうなづきたくなります。まあ、50代のおじさんからすれば、人生に試行錯誤するアラサーも十分いい思い出だよ、と言いたくなります。

 売れないモデルという役柄からいって、濃すぎる桜井のメークは仕方がないのかもしれませんが、岡崎と三戸の等身大の演技が印象に残りました。三戸は「賭ケグルイ」のテンション高い演技しか印象がなかったので、見直した感じです。また、年上の3人に混ざり、化学反応を起こしてくれる中井の存在もいい。出番は少ないですが、唯一の男性主要キャラ役の工藤阿須加の使い方もうまい。明け方の空を意味する東雲の映像も美しく、女性監督らしい繊細さを感じました。上映時間が短いため、もう少しこの世界観に浸りたくなったのがちょっと惜しい。
posted by 映画好きパパ at 06:09 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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