2021年11月27日

聖地X

 予告からホラーと思いきや、どちらかというと「世にも奇妙な物語」風の話で、肩透かし。おどろおどろしい雰囲気を、変なコメディ風味と良い話でまとめようとしていかしきれなかった感じです。

 作品情報 2021年日本映画 監督:入江悠 出演:岡田将生、川口春奈、真木よう子  上映時間:114分 評価★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマみなとみらい 2021年劇場鑑賞270本



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 【ストーリー】
 父の遺産でもらった韓国の田舎の別荘でニート生活を楽しむ輝夫(岡田将生)のところに、東京から妹の要(川口春奈)が突然転がり込む。夫の滋(薬丸翔)が浮気したうえ貯金を使い込んだので、愛想をつかして離婚するというのだ。

 ところが、要は買い物中に日本にいるはずの滋を見つける。後をつけると、日本料理屋の中に逃げ込むが、店主の江口(緒形直人)はほかにだれもいないという。そこへ突然、滋が現れた。別荘に連れて帰ったが、最近の記憶がないと様子がおかしい。さらに、輝夫が携帯にかけると、東京で滋となのる人物が電話にでて…

 【感想】
 劇団イキウメの舞台劇を入江監督が映画化というのは「太陽」という傑作がありました。「太陽」の独特の切なさ、怖さは好きで、本作もそういう作品かと思ったら違いました。登場人物それぞれに感情移入できなかったのが原因です。

 まず、要が非常にわがまま。浮気されたのは可哀そうだと思いますが、滋の騒動をみてもひたすら自己中心的にしか思えません。ニートの輝夫への対応もそうですが、ちょっと嫌な女にみえます。また、輝夫もSFオタクで事件を解決しようというのはいいけれど、その手段があまりにもひどすぎる。さらに、滋の上司でのこのこ韓国までついてくる星野(真木よう子)や江口といったいい大人もまったく考えが理解できませんでした。

 韓国のおどろおどろした田舎の雰囲気のホラーは傑作が多く、「哭谷」のようなお祓いシーンもあります。けれども邦画の軽さというか、見掛け倒しにしかみえず、このへんも活かしきれてないとしかいいようもありません。原作舞台は観ていないのですが、不条理コメディーにするか、ホラーにするかどちらかに寄せたら面白かったろうに。

 途中、川口春奈が謎ダンスするシーンが結構長くあるのですけど、「シュシュシュの娘」で福田沙紀に謎ダンスさせたように、女優にダンスさせるのは入江監督の趣味なんでしょうか。こういう唐突さは嫌いではないので、ぜひ、次回作以降も続けてほしいと思いました。
posted by 映画好きパパ at 22:12 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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