2021年12月02日

囚人ディリ

 インド映画というと豪華絢爛、美女がでてきてみんなでダンスというイメージがありますが、最近はそれでない作品も日本で公開されています。本作もハードボイルドで息もつかないアクションを堪能できました。

 作品情報 2019年インド映画 監督:ローケーシュ・カナガラージ 出演:カールティ、ナレーン、アルジュン・ダース  上映時間:145分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル 2021年劇場鑑賞276本



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 【ストーリー】
 インドの田舎の警察が大量の麻薬を押収した。ギャング団の幹部、アンブ(アルジュン・ダース)は警察署を襲撃し、麻薬と捕まった構成員の奪還、それに報復として捜査関係者の殺害を計画する。

 警察内部のスパイを通じて、警察長官の自宅で開かれたパーティーに毒物を仕込み、一帯の警察幹部は意識不明に。唯一、麻薬捜査の責任者で、手を怪我していたため酒を飲まなかったビジョイ(ナレーン)だけが無事だった。幹部たちを助けるには5時間以内に遠くの病院に連れて行かなければならないが、ビジョイはケガのため運転できない。たまたま職務質問をうけ逮捕されたディリ(カールティ)がトラックの運転ができたため、ビジョイは手錠を付けたままの彼に強引に運転を命じる。実は彼は殺人犯で、刑務所から釈放されたばかりだった。一方、ギャングたちは人数を集め、警察署とディリが運転するトラックを襲い始める。

 【感想】
 145分があっという間でした。まず、警察署は田舎にあるうえ、幹部が全員パーティーに出払いっています。残されたのは当日赴任したばかりの老警官ナポレオン(ジョージ・マリヤーン)だけ。彼は飲酒運転で捕まって署内にいた学生たちに協力してもらい、警察署に籠城します。しかし、外から大勢のギャング集団が襲い掛かり、応援が駆け付けなければ全滅します。

 一方、ディリとビジョイは、ひょうきんなビリヤニ屋の若者のトラックを強引に借り、荷台に重症を追った幹部たちを乗せて病院へ向かいます。しかし、途中の山道にはギャングたちが罠をしかけて、これがまた、火のついた荷車でアタックしてきたり、竹藪にブービートラップをしかけたり、何ともアナログなもの。トラックはおんぼろだし、警察内部のスパイは妨害するし、無事にたどりつくのかとこちらも緊迫感があふれます。インド映画だから主人公は死なないと思っていたのですが、途中で露骨な死亡フラグもあり、最後までどうなるか目を離せませんでした。

 そのディリはなぜか超強い。特に理由は説明されていませんが、ラストにぽつりとギャングのリーダーがディリを知っているかのようなせりふをいうので、もしかしたら、とんでもない過去があるのかもしれません。それはともかく、ディリが格闘、カーアクションすべてこなしていくのですが、インドのアクション映画にしては結構痛そうなアクションもあり、堪能できました。

 また、ディリは刑務所に10年入っており、まだ見ぬ10歳の娘が孤児院にいます。その娘と会うためには死ぬわけにいかず、父娘の思いが彼をすっかり応援したくなります。ビジョイも一緒で、最初は元殺人犯と露骨に下に見て、いうことを聴かないと刑務所に送り返すなどと脅していたのですが、彼の優しさや正義の心をしって、次第にバディとして信頼し合う状況も良かった。また、ギャングには潜入捜査官がおり、そのサスペンスまであるという、てんこ盛りのエンターテイメント。

 意外な人が死ぬ場面もあって、最後までどうなるのかわからないノンストップアクションでした。日本ではタミル語映画はほとんど公開されないため、貴重な作品ともいえます。インド映画の新しい一面をみられる痛快エンターテイメントでした。
posted by 映画好きパパ at 06:05 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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