2021年12月03日

ダ・ヴィンチは誰にほほえむ

 「事実は小説より奇なり」といいますが、レオナルド・ダ・ヴィンチの幻の名画はまさにその言葉にふさわしい事態になっています。映画製作後の今現在も謎に包まれており、フィクションの「ダ・ヴィンチコード」より面白いドキュメンタリーでした。

 作品情報 2021年フランス映画ドキュメンタリー 監督:アントワーヌ・ヴィトキーヌ   上映時間:100分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2021年劇場鑑賞277本



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【ストーリー、感想】
 2005年、アメリカの田舎町の民家に飾られていた絵が、持ち主の死亡によりオークションにかけられ1100ドルで売られました。ところが、その絵はレオナルド・ダヴィンチの失われた名作だと鑑定され、現在では4億5000万ドルの値段がついています。
来歴が不明ということもあり、美術界は真贋めぐって真っ二つ。贋作(ダヴィンチの弟子の作)とみるルーブルの学芸員が、真作とみるロンドン・ナショナルギャラリーの学芸員をバカにするなど美術館同士の威信も絡み、素人には誰の証言が正しいのか判断がつきません。

 さらにロシア政商をめぐる国際的な詐欺事件やサウジアラビア政府による陰謀など、話はどんどんスケールアップ。現在では再び絵の所在地は不明になっています。よくこんなキーパーソンまで取材できたなという大物が続々と証言。息もつかぬ間に話が進みます。
肌を売った男でも思いましたけど、とにかく美術界は魑魅魍魎の悪人だらけ。それで何億ドルもの金が動くのだから、庶民には近づきたくもない恐ろしい世界です。そもそもアートって何なんでしょうね。大手競売会社クリスティーズのマーケティング戦略で踊らされる庶民や、大富豪が絵を購入しても「テネット」に出てきたような保税倉庫に厳重に保管され、大富豪本人すら鑑賞しないのをみると、こんな世界は狂っているよと思ってしまいます。
 それにしても今年はドキュメンタリーの当たり年。ベスト10の半分はドキュメンタリーになりそう。
posted by 映画好きパパ at 06:22 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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