2021年12月17日

スパゲティコード・ラブ

抒情的に現代の若者の心情を切り取った詩のようで情感にあふれている。短いエピソードをつないだグランドホテル形式で、ずっと見ていたくなりました。コロナのない世界での日常でしたが、コロナ禍の世界編も見たいなあ

 作品情報 2021年日本映画 監督:丸山健志 出演:倉悠貴、三浦透子、清水尋也  上映時間:96分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ横浜 2021年劇場鑑賞293本



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 【ストーリー】
 フードデリバリー配達員の天(倉悠貴)、売れないストリートミュージシャンの心(三浦透子)、シンプルライフを訴えホームレスになった慎吾(清水尋也)…。東京に暮らす13人の若者たちの日常を、短いショットでつなぎ等身大に描いた作品。

 【感想】
 夢、希望は若者の特権といい、東京はそんな夢がかなう町と思う一方で、現実の厳しさを少しずつする若者。仕事だけでなく恋愛にも迷い、そして遠いがゆえになんとなく考えてしまう死。高校生から売れっ子モデルまでさまざまな立場にいる13人ですが、迷いながら前に進もうとあがく姿は尊い。

 やはり夢や希望を見て、無茶ができるというのは若者の特権だなとつくづくおじさんである僕は思ってしまいます。嫌なやつはでてきても、思い切った悪人はそうそうおらず、人の縁に助けられるというのは実際もそういうもので、若い世代がそういうことを実感してもらうとうれしい作品。

 それぞれのエピソードが印象的ですが、個人的には売れっ子モデルの凛(八木莉可子)に、罵倒されて職を失ったカメラマンの翼(古畑新之)が、田舎から出てきた家出娘でカメラマン志望の少女、花(上大迫祐希)と出会う話が好き。落ち込んでいるときに意外な出会いに支えられ、性愛とか別の男女の友情がでてくる。ある意味理想すぎるかもしれないですが、意外と現実はこういうものかもと思わされます。

 倉、三浦をはじめ今年ブレイクしだした若手が中心ですが、土村芳、満島ひかりといった売れっ子や、甲本雅裕、尾上寛之といった名倍プレイヤーが重しとなり、ちゃらちゃら感はありません。ウェイウェイ的なパーティー描写も含めて、人間の哀しさと喜びをまじめに描こうという感じ。

 丸山監督はCM畑の人で長編初監督作品だそうですが、スタイリッシュな映像とBGMのいれかたはお手の物。コロナ直前の東京の姿を映し出している貴重な作品といえそうです。また、こういう世界がくる日を夢見てしまいました。
posted by 映画好きパパ at 06:03 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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