2021年12月20日

ドント・ルック・アップ

 豪華キャストによる社会風刺映画。ドタバタ劇は笑っちゃうのだけど、コロナやトランプ選挙など現実も似たようなものなのだと気付くと、怖さも感じてしまいます。

 作品情報 2021年アメリカ 映画 監督:アダム・マッケイ 出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、メリル・ストリープ  上映時間:145分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:シネリーブル池袋 2021年劇場鑑賞296本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村
 【ストーリー】
 ミシガン大の天文学教授ミンディ(レオナルド・ディカプリオ)と大学院生のケイト(ジェニファー・ローレンス)は地球に接近している彗星を発見。半年後に地球に衝突すると計算する。NASAのオグルソープ局長(ロブ・モーガン)とともに、オルレアン大統領(メリル・ストリープ)へ対策を訴えに来たミンディだが、大統領は部下の性的スキャンダルで頭がいっぱいで取り合わない。

 ならばとテレビのニュースショーに出演して世間に訴えたミンディとケイトだが、人気歌手ライリー(ジェニファー・ローレンス)の痴話げんかに時間をとらえ、あまつさえニュースキャスターのブリー(ケイト・ブランシェット)はミンディを気に入り、不倫を迫ってくる始末。果たして地球の運命は…

 【感想】
 科学を信じようとしない人々、政治家や大企業が目先の欲に走って危機に対応しようとしない、ゴシップばかりで真実を伝えないメディア、ネットで分断され炎上合戦を繰り広げる庶民など、現実でも怒りえることばかり。製作者は地球温暖化問題をめぐる世間の反応を想定していたらしいですが、現実でさまざまな問題で同様のことが起きているのを見ると、人類のレベルって大したことないと思ってしまいます。

 「マネー・ショート」「バイス」など社会派のテーマをポップに見せることが得意なアダム・マッケイだけあり、MTV風の映像からネット炎上の様子、はたまた大統領と大企業社長(マーク・ライアンス)の陰謀まで、多少誇張をまじえて2時間半を退屈させずに見せてくれます。感動的なラストのあとのオチとエンドロール後のエピソードまで含めて、楽しみつつ現実への怒りもこめて製作しているのだろうなということがよくわかりました。

 同じような破滅的な災害に向き合うという意味ではちょうど日本沈没がドラマ化され、本作と同じくネットフリックスで配信されてますけど、日本沈没が単純に正義の官僚を信じて庶民が何にもでないのを見ていると、シン・ゴジラもそうだけど、日本のエンタメの国への信頼の深さに驚いてしまいます。政治家や官僚組織は悪意か無能かのどちらかが大半を占めている現実を風刺しようとしないのだもの。本作をみてアメリカの懐の深さを感じました。

 彗星が地球に衝突しようとする映画は何本もあったけど、実際はこんなふうにグタグタで進むんだろうなあ。終盤のデカプリオ、ローレンスの行動や、タイトルのドント・ルック・アップの意味も含めて、いざ本当に大災害に直面したとき、人類はどうなるのか。笑いながらもいろいろ考えさせられました。

 中年太りで極度の上がり症のデカプリオ、野暮ったいメイクのローレンス、すっぽんぽんで動き回るストリープ(カメラは背中からのショットですが)、ウイスキーをラッパ飲みするブランシェット、スティーブ・ジョブスを極端に誇張したようなライアンスなど、オールスターがどたばたを繰り広げているのはそれだけで楽しい。「ウルフ・オブ・ストリート」の名コンビ、デカプリオと共演するジョナ・ヒルや、そのへんの兄ちゃん風のティモシー・シャラメはじめ、豪華キャストをみるとネットフリックスの資本力のすさまじさを実感します。

posted by 映画好きパパ at 05:53 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。