作品情報 2021年香港映画 監督:ベニー・チャン 出演:ドニー・イェン、ニコラス・ツェー、チン・ラン 上映時間:126分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2021年劇場鑑賞305本
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【ストーリー】
香港警察のチョン警部(ドニー・イェン)は温厚そうに見えるが、正義を貫き上層部との衝突も辞さない熱血漢。凶悪犯ウォンの麻薬取引現場を抑えようとするが、上層部からの嫌がらせで到着が遅れる。その間に、ウォンどころか警官隊もが謎の武装集団に襲われ、多くの死傷者がでる。
武装集団のリーダー、ンゴウ(ニコラス・ツェー)はかつてチョン警部の親友のエリート警察官だった。だが、上層部の無理な命令に従い、ウォンが絡む事件で容疑者を取り調べ中に殺してしまったため逮捕された。裁判ではチョンがンゴウをかばうことなく、事実を証言したため刑務所送りになっていた。ンゴウは一緒に有罪になった部下と共に復讐をはじめたのだ。チョンは何とかンゴウらの犯行を止めようとするが…
【感想】
長年、香港アクションを手掛けたベニー・チャン監督の遺作とあり、エンディングロールでは撮影中の彼の映像が流れています。クライマックスの市街地の銃撃戦が、グリーンバックを使って、こういうふうに撮られるのかとわかるのはちょっと新鮮でした。
さて、ストーリーは単純ですが、復讐に燃えるニコラス・ツェーと、正義と友情の狭間に苦しむドニー・イェンが好対照で、ともに格好いい。とくにエリート警察官が一転、徹底的に悪をつらぬくようになるンゴウは、無関係の人たちも犠牲にしつつも、ある種の宿命的な悲しみもあり、悪役として非常に魅力的です。
そして、世の中には善と悪の間にグレーという存在がある。また、人間の運命なってちょっとしたはずみでおかしくなってしまう。こういった東洋的な奥深さもストーリーの背景にあるのが、ハリウッド映画の同様の刑事アクションとは一線を画しているところ。
アクション監督はドニー・イェンが務めているうえ、スタントコーディネーターに谷垣健治が参加しており、息もつかさぬ展開が続きます。肉弾戦も堪能できますが、なんといっても銃撃戦やカーアクションが魅力的。見ているこちらのアドレナリンがひたすら上昇し、香港映画はこうじゃないとと思わせてくれます。ただ、警察上層部が腐敗しまくっているというのは、今後の中国映画でこういう描写が許されるのかとちょっと不安に思ってしまいました。
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