作品情報 2020年イギリス、アメリカ映画 監督:マシュー・ヴォーン 出演:レイフ・ファインズ、ジェマ・アータートン、リス・エヴァンス 上映時間:131分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマズ港北ニュータウン 2021年劇場鑑賞309本
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【ストーリー】
20世紀初頭のイギリス。オックスフォード公爵(レイフ・ファインズ)は妻のエミリー(アレクサンドラ・マリア・ララ)がボーア戦争に巻き込まれて目の前で殺されたこともあり、平和主義者として知られていた。しかし、その陰で世界の平和を守るためメイドのポリー(ジェマ・アータートン)と執事のショーラ(ジャイモン・フンスー)に命じて、各国のメイドや召使の間の諜報網を作り上げていた。
オックスフォードの一人息子、コンラッド(ハリス・ディキンソン)はショーラたちに鍛えられて育った。やがて第一次世界大戦が始まり、コンラッドは従軍を希望するがオックスフォードは若すぎると拒否する。そのころ、ロシアでは怪僧ラスプーチン(リス・エヴァンス)が皇帝を催眠術で操っていた。オックスフォードたちはラスプーチンの陰謀を阻止するため、ロシアへ向かう。
【感想】
ラスプーチンだでなく、ニコライ皇帝、ジョージ5世、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世(トム・ホランドが1人3役)、さらにはレーニン(アウグスト・ディール)、ヒトラー(ダフィット・クロス)といった実在の人物が次々と登場します。それらとキングスメンをうまくかかわらせた脚本と、マシュー・ヴォーンらしい皮肉な筋書きは楽しめました。
ただ、このシリーズの最大の売りであるアクションが、チャイコフスキーの「序曲1812」をバックに、コサックダンス風のアクションを繰り広げるラスプーチン戦は笑いながら楽しめたものの、クライマックスのアクションは印象が薄い。ラスボスも、過去作のサミュエル・L・ジャクソン、ジュリアン・ムーアと比べるとちっぽけな悪党という感じだし、1作目の威風堂々で頭どっかーんに比べると、常識の範囲内というのが残念。
イギリス史への皮肉や戦争の虚しさというのは、本作だけ取り上げれば面白いけど、過去作の荒唐無稽ぶりとくらべると、ちょっと方向性が違うのでは、とも思えてしまいます。第一次大戦の砲撃シーンは気合が入っていましたが。
主要キャストでは、作品によって印象を変えてくるジェマ・アータートンの楽しそうなアクションが一番印象的。レイフ・ファインズはちょっともったいなかったかな。そして、なによりリス・エヴァンスのラスプーチンぶりがたまらなく、もう、この部分だけで1本の作品をとってしまって良かったと思いました。
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