ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェという「新しき世界」の主役コンビが真正面から対決ということで、韓国ノワール映画ファンなら見逃せない作品。東京も舞台の一つだったのは知らなかったので、ちょっぴりお得な気がしました。
作品情報 2020年韓国映画 監督:ホン・ウォンチャン 出演:ファン・ジョンミン、イ・ジョンジェ、パク・ジョンミン 上映時間:108分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネマート新宿 2021年劇場鑑賞310本
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元韓国国家安全企画部の敏腕エージェント、インナム(ファン・ジョンミン)は組織に裏切られ海外に潜伏しながら、暗殺者として生計をたてていた。だが、引退を決意し最後の仕事として東京でヤクザの是枝(豊原功補)を暗殺する。
同じころ、インナムの元恋人、ヨンジュ(チェ・ヒソ)がバンコクで殺され、幼い娘のミン(パク・ソイ)が何者かに誘拐された。インナムはヨンジュの死後、ミンが自分の娘であることを知る。バンコクに渡り、ミンの行方を探すインナムだが、是枝の弟で狂暴な殺人犯レイ(イ・ジョンジェ)も、兄の復讐をしようとインナムの後を追う。
【感想】
娘を探す暗殺者というストーリーはよくあるけど、そこにレイという超狂暴な悪役をいれたことで話は複層的になります。インナム、レイ、それにミンの誘拐をしたギャング、警察が4つどもえで戦いを繰り広げます。韓国国内を舞台にしたアクション映画では重火器の使用があまりありませんが、本作はタイが舞台とあり、機関銃やら爆弾やら、とにかくガンアクション、爆破シーンがてんこ盛り。見ていて飽きさせません。
さらに、インナムも暗殺者なので、ミンの行方を探すために関係者の拷問を繰り返します。レイはとにかく片っ端から人を殺す異常者。悪対凶悪の対決にしたことで、たんなるヒーローものよりも深いノアールとなっています。まあ、巻き込まれた人たちは不憫だけど、カット割りが巧妙でえぐい場面もそのものは見せないので、それほど気持ち悪くありません。
序盤、東京が舞台になった時はしらなかったのでびっくりしました。撮影時はまだコロナ前で、殺伐とした内容ですがある種の平和な映像になっています。バンコクはひたすら腐敗と暴力の街と描かれていて、何とも殺伐とした感じで話が続きます。
臓器売買のために幼児を誘拐するなどえぐい話がひたすら続くなか、バンコクのガイド兼通訳は、性転換手術を受けに来たオカマのユイ(パク・ジョンミン)で、彼がコメディリリーフ的存在だったので、登場シーンはほっとできました。それにしても、イ・ジョンジェが最初がだれか分からないぐらい凶悪な顔つきになっていて、びっくり。韓国ノワールはオジサン俳優がとにかく渋くて、この世界に入り込みたい気分になります。
2022年01月03日
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