2022年01月04日

ヴォイス・オブ・ラブ

 セリーヌ・ディオンの伝記映画なのですが、主演兼監督兼脚本のヴァレリー・ルメルシェの思いが強すぎて、何とも平板な仕上がりに。

 作品情報 2020年フランス、カナダ映画 監督:ヴァレリー・ルメルシェ 出演:ヴァレリー・ルメルシェ、シルヴァン・マルセル、ダニエル・フィショ  上映時間:126分 評価★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2021年劇場鑑賞310本



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 【ストーリー】
 カナダの田舎町で14人兄弟の末っ子として生まれたアリーヌ(ヴァレリー・ルメルシェ)は歌の才能を見いだされ、ステージママの母親(ダニエル・フィショ)と、マネージャーで26歳年上のギィ=クロード(シルヴァン・マルセル)の指導のもと、スターへと駆け上がる。

 やがて、クロードとは年の差に関係なく、愛をはぐくむようになるのだが…

 【感想】
 セリーヌに敬意を表してかアリーヌという名前ですが、基本的にはディオンの伝記映画です。ただ、現在、57歳のルメルシェがなんと12歳のころからアリーヌ役をやっており、特に子供時代は子供の体に合成するので、ちょっと不気味な気がします。シルヴァン・マルセルと実年齢は同い年なので、年の差が離れた愛というのも全然みえないんですよね。

 さらに、他のミュージシャンの伝記映画と違って、ディオンは挫折を知らず子供のころから天才扱かい。ティーンで国際的なスターになり、その後も大ヒットを連発します。酒や麻薬におぼれることもなく、曲作りに悩むこともない。恋愛に関しても、母親からは嫌味をいわれるとはいえ、クロードとの結婚はすんなりいきます。不倫のどろどろとか一切描かない。結婚後はクロードはすべてアリーヌに協力的で喧嘩すらない。

 セリーヌの史実同様、不妊治療が大変だったとか、喉の病気で休養したとかもありますが、子供時代から最近までを同じようなテンポで演出しているため、ちょっと問題がおきてもあっという間に解決してしまい深みを感じられません。クライマックスもフランス映画だからかもしれませんが、一番盛り上がるところをあっさりと流していて、ラストの意味がよくわからない。

 劇中、アリーヌが名曲の数々を歌うシーンがあるのだけど、音楽が基本的にサビの部分をちょこっとやるだけなんですよね。曲に関するエピソードもほとんどない。「ラブ・ミー・テンダー」とか「メモリー」(キャッツの楽曲)とか他人の歌を流すのなら、セリーヌの曲をもっとしっかり聞きたかった。セリーヌがどういう経歴なのかがわかるので、ファンは楽しいかもしれないけど、僕はちょっと合いませんでした。
posted by 映画好きパパ at 06:04 | Comment(0) | 2021年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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