作品情報 1968年イギリス映画 監督:ケン・ローチ 出演:キャロル・ホワイト、テレンス・スタンプ、ジョン・ビンドン 上映時間:101分 評価★★★(五段階) 観賞場所:新宿武蔵野館 2021年劇場鑑賞311本
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【ストーリー】
18歳のジョイ(キャロル・ホワイト)は、トム(ジョン・ビンドン)とできちゃった結婚をしてしまう。しかし、まともに働かないトムは強盗を働いて警察に逮捕。赤ちゃんを抱えたジョイは叔母(クイニー・ワッツ)の家に住みながらパブで働く。
やがて、パブの客でイケメンのデイブ(テレンス・スタンプ)と出会った彼女は愛をはぐくむ。しかし、デイブも強盗で逮捕されてしまい…
【感想】
強盗なんかしないでまともに働けよといいたいですが、1960年代は今よりも貧富の差が激しいのでしょうか、ジョイの周りの男は犯罪者ばかりです。しかも、DVを平気でふるう。でも、鉱山にしろ工場にしろ働き口があったわけだし、ジョイも盗品で豪遊しているのだから、逮捕されて大変な目にあっても同情できません。
また、ジョイの貞操観念もよくわからず、赤ちゃんがいて夫と恋人がいるのに、次々と男をとっかえひっかえして、これも性的魅力がカネになるから貧しさをしのぐということなのかもしれないけれど、単に男好きとも思えてしまいました。ジョイでないのですがアーティスティックなヌード写真は、みていて欲望をかきたてるより笑えてしまいます。
ドキュメンタリーっぽい映画が得意なケン・ローチは処女作で余計そうした部分が目立ち、ジョイがインタビューを受けているように、カメラに向かって将来の夢を語るような場面も
ありますし、逮捕の場面もそうですが思い切って省略しているので、観客が意表をつかれるところもあります。これも、当時は斬新な演出で評価されたのだろうけど、50年後の僕からすると、ふーんという感じでした。当時の人気ミュージシャン、ドノヴァンの曲が多用され、シーンとあった使い方はさすがにうまい。
テレンス・スタンプは「ラスト・イン・ソーホー」にも登場して、老いても芸能界で活躍しています。あのおじいちゃんが若いころはこんなイケメンだったのかというのはびっくり。キャロル・ホワイトは美人ですがこの後役に恵まれず、早くに亡くなったそう。人間の運命もいろいろだなと50年後の僕は思ってしまいます。
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